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探り出す
「探り出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
探り出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
を読み上げるらしいはしゃいだ声、何に驚いてか夜なきをする鶏……葉子はそんな響きを
探り出すと、人の生きているというのが恐ろしいほど不思議に思われ出した。
急に寒....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
鋭《するど》く励まされて、千枝太郎のしおれた魂も俄に勇んだ。彼はきっとその怪異を
探り出すことを泰忠に誓って別れた。彼はもう悠々と京の町などをうろついてはいられな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いなかった。迷子札《まいごふだ》も下げていなかった。したがって、何処の何者だかを
探り出す手がかりも無いので、皆もしばらく顔を身合わせていた。 彼女の身許がわか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りながら昨夜の顛末を訴えたが、それは庄太の報告とおなじもので、別に新らしい事実を
探り出すことは出来なかった。半七はまた訊いた。 「その女の人相というのはちっとも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れは先ず馬喰町の近所で最も名高い小間物屋に眼をつけて、案外に安々とその手がかりを
探り出すことが出来たのであった。 「ここまでは巧く運んだが、この先がむずかしい」....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の口には唐銅の蓋が厳重にはめ込んであった。その蓋を取り除けて、筒の中にあるものを
探り出すと、それは紙質も判らないような古い紙に油絵具で描かれた一種の女人像で、異....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
めにもう一度、その船頭の千八に逢ってくわしい話を聴いたらば、又なにかの手がかりを
探り出すことがないとも限らない。半七は起って窓をあけると、一旦晴れそうになった今....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
早々にこの店を出て行った。すぐにその後を尾けようかとも思ったが、なにか手がかりを
探り出すこともあろうと、彼は引っ返して会津屋の店へはいった。 「お早うございます....
「白光」より 著者:井上紅梅
立上った。 陳士成は獅子のように馳け出して、門の後ろに行って、手を伸ばして鋤を
探り出すと、一すじの黒い影にぶつかった。彼はなぜかしらんが少しこわくなって、慌て....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
招待に応じて、その機会を失わないように努めていたのであった。この席上でも彼は何か
探り出すことはないかと、洩れきこえる諸人の談話をいちいち聞き逃がさないようにうろ....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
分との関係に就いては、なんだか曖昧なことを言っていた。わたしはたって他人の秘密を
探り出す必要もなかったが、この際なにかの参考にしたいという考えから、冗談まじりに....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
えたまえ。ガランスを与えたまえ。我らに日用の糧を与えたまえ。(銀紙に包んだものを
探り出す)我らに(銀紙を開きながら喜色を帯ぶ)日用……糧を……我らに日用の糧を…....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
通信員もあとからはいって来た。かれは今夜もこの旅籠屋に泊まり込みで、事件の真相を
探り出すのだと言っていた。 「女学生はたしかに毒殺ですよ。」と、彼は風呂のなかで....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
五十七になりますが、丁度四十一の年からここに雇われて居ります」と云う。私も怪談を
探り出す端緒に困ったが、更に左あらぬ体で、「併しお前さん達は夫婦|差向いで、こん....
「酋長」より 著者:岡本かの子
来るよ。ここへ来りゃ、みんな僕のけらいさ」 朝子は、ふと、こういう少年の気持を
探り出すのに具合のよさそうな問いを思いついた。 「島吉つぁん、どんなお嫁さん貰う....