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「推参〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

推参の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
倫理学界の大家の御説を伺いましたら、自然分別もつこうと存じまして、今晩はわざわざ推参致したのでございます。いかがでございましょう。御退屈でも私の身の上話を一通り....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
月ほど前、明治二十七年五月の二十日過ぎである。例のごとく日曜日の朝から赤坂の宅へ推参すると、老人はきのう新富座を見物したと云った。 「新富は佐倉宗吾でしたね」 ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
》をたずねた。思いも寄らぬ使者をうけて、行綱もおどろいた。彼は娘が大納言の屋形へ推参《すいさん》したことをちっとも知らなかったのであった。その頃の女のたしなみと....
婦系図」より 著者:泉鏡花
らんずる根ざしが見えて容易でない。 すでに過日も、現に今日の午後にも、礼之進が推参に及んだ、というきっさきなり、何となく、この縁、纏まりそうで、一方ならず気に....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
失笑しかけた。 しかし、男同志が名乗り合う厳粛な時だと、笑いを噛みしめて、 「推参なり。我こそは、信州上田の鬼小姓、笛も吹けば、法螺も吹く、吹けば飛ぶよな横紙....
天守物語」より 著者:泉鏡花
面を返す時、口に一条の征矢、手にまた一条の矢を取る。下より射たるを受けたるなり)推参な。 ――たちまち鉄砲の音、あまたたび―― 薄 それ、皆さん。 侍女等、身を....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
である。 「大先生は居られぬか。王水険大先生のお部屋はどこであるか。只今金博士が推参いたしましたぞ」 とうとう王水険大先生が朝寝坊の居間が、金博士|自らの捜索....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
いに因って、家つきの仏を回向かたがた、お見舞申してはくれまいか、と云うに就いて、推参したのでございますが、いや、何とも驚きました。 いずれ御厄介に相成らねばな....
南地心中」より 著者:泉鏡花
。新枕は長鳴鶏の夜があけるまでは待かねる。 主従は三世の中じゃ、遠慮なしに閨へ推参に及んだ、悪く思うまいな。汝ゃ、天王寺境内に太鼓たたいていて、ちょこんと猿|....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
して、その立派さといったらなかったそうだよ。石段の上の方から、ずって寄って、 (推参な、婆あ見苦しい。)と言いさま、お前、疫病神の襟首を取って、坂の下へずでんど....
星女郎」より 著者:泉鏡花
そひそと泣いているんですね。」 三十一 「夜半に及んで、婦人の閨へ推参で、同じ憚るにしても、黙って寝ていれば呼べもするし、笑声なら与し易いが、泣い....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
一とくさり済ませた後に、さらに真面目になってささやいた。 「若殿、それがしが今日推参つかまつりましたは、ちと密々にお耳に入れ申したい儀がござりまして……。余の儀....
三枚続」より 著者:泉鏡花
かる、居心の知れた座敷ではあったけれども、不断とは勝手が違った庭口から案内なしの推参である上に、門でも裏でも取ってつけない挨拶をされた先刻の今なり、来客の目覚し....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ともにずッと垂れて、真平御免! と啓したのである。 「ええ、御免下さいまし、甚だ推参なわけで、飛んだ失礼でございまするが、手前通りがかりのもので、」といい出る。....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
て大博覧会へ出品をしようという、俺の作に向って、汝の銘を入れる法があるか。退れ、推参な、無礼千万。これ、悪く取れば仕事を盗む、盗賊も同然だぞ。余りの大ものに見驚....