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「推敲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

推敲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
半時間もかからずに書いた弔辞は意外の感銘を与えている。が、幾晩も電燈の光りに推敲《すいこう》を重ねた小説はひそかに予期した感銘の十分の一も与えていない。勿論....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
江上の杜鵑というありふれた取り合わせでも、その句をはたらかせるために芭蕉が再三の推敲洗練を重ねたことが伝えられている。この有名な句でもこれを「白露江に横たわり水....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
、たぶん、作者自身が一八四五年出版の彼の『物語集』にのちの刊行の準備として自筆で推敲《すいこう》の筆を加えたときに、書き直したものであろう。ステッドマン・ウッド....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
て、再び白熱の興奮の中に約三万語の作を僅か三日間で書き上げたと言われている。尤も推敲と完成にはその後約一カ月を要したという。ともかく、スティーヴンスン自身の言葉....
彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
に篤きが如し。 四、論争に勇なる事。 五、作品の雕琢に熱心なる事。遅筆なるは推敲の屡なるに依るなり。 六、おのれの作品の評価に謙遜なる事。大抵の作品は「あ....
戯作者」より 著者:国枝史郎
。 筆を投ずれば風を生じ百言|即座に発するというのが所謂る馬琴の作風であって、推敲反覆の京伝から見れば奇蹟と云わなければならなかった。 その日から数えて一月....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
用紙に当るのがつまりあの人々では土に当るわけで、然し原稿用紙自体は思索することも推敲することもないのに比べると、土自体には発育の力も具わっているので、我々の原稿....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
半で先ず……一回などという怪しからん料簡方のものでない。一回五六枚も書いて、まだ推敲にあらずして横に拡った時もある。楽屋落ちのようだが、横に拡がるというのは森田....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、と北枝が記しているから、 山中や菊は手折らぬ湯の匂ひ 世に知られたのは、後に推敲訂正したものであろう、あるいは猿簑を編む頃か。 その猿簑に、 凧きれて白嶺....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
う事の出来ない文章上の微妙な説を聞いて大いに発明した事もしばしばあったし、洗練|推敲肉|痩せるまでも反覆|塗竄何十遍するも決して飽きなかった大苦辛を見て衷心嘆服....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
方四方の不平不満が一時に殺到する心的葛藤に忙殺されていては、虚心|坦懐に沈着いて推敲鍜練していられないのが当然であった。恐らく書肆に対する義理合上拠ろなしに自分....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
くれれば結構だくらいの意味において、何分翌月の雑誌に載らねばならぬ火急の事とて、推敲を加うるの暇だもなく、取りあえず書きっ放しの一夜漬けのままで、厚顔にもその発....
文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
ゝの姿に即すことを怠ってはならない。 附け加えていえば、文章の上に多くいわれる推敲ということは、単に表面的な文学上の修飾であってはならない。それはどこまでも内容を本位とするものでなければならない。....
編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
ず病褥に横たわったが為に、東京の自宅と京都の寓居との間を数回往復して、遂に原稿の推敲や整理に力を用うる事の出来なかった事と、かねて入院加療中の発行主任古藤田喜助....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
もしていないということが、それらによっても証明されました。もし古人の措辞が十分の推敲を経ていないものであったら、中には古人の句よりもいい句ができる場合もありそう....