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推賞
「推賞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
推賞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
また、この稿を次ぐ機会を待って語ろうと思う。
二
自分が前に
推賞した橋梁と天主閣とは二つながら過去の産物である。しかし自分がこれらのものを愛....
「星座」より 著者:有島武郎
貴様づれよりやはり偉いぞ」
西山は日ごろの口軽に似ず返答に困った。西山が星野を
推賞した、その矛《ほこ》を逆まにしてガンベは切りこんできた。星野が衆評などをまっ....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
。それかあらぬか、さる富豪が二十何年同じ麦稈帽を冠ったというので、新聞に大々的に
推賞されたのは、どれ位彼れ等の参考になった事であろう。 こうした事実の半面には....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
芸術的な神技であろう、と真佐子は口を極めて復一のこれから向おうとする進路について
推賞するのであった。真佐子は、霊南坂まで来て、そこのアメリカンベーカリーへ入るま....
「異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
絵を観客に自由に遠慮なく投票をさせて、オストラキズムの真似をしたらどうかと思う。
推賞する方の投票だと「運動」が横行して結果は無意味に終るにきまっているが、排斥す....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
感情表示に差違のあることを述べ「拷問」の不合理を諷諌し、実験心理的な脈搏の検査を
推賞しているなども、その精神においては科学的といわれなくはないであろう。「小指は....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
哲学者は彼から多くを学ばねばなるまい。ショーペンハウアーとニーチェは文学者として
推賞するのだそうである。しかしニーチェはあんまりギラギラしている(glitzer....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のお話中ににわかに思いついたのです。なぜなら、日本中で今もってロッテナム美人術を
推賞していらッしゃるのは大伴シノブ夫人だけだということは世間で名高い話ですから。....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
で、日本の伝統的小説の約束は、この小説に於ける少年工の描写を過不足なき描写として
推賞するが、過不足なき描写とは一体いかなるものであるか。われわれが過去の日本の文....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
流の群馬郡北部から利根郡内にまで遡った鱒は、一層味品が肥えている。 鱒と共に、
推賞に値するものに、利根川の鰍がある。鰍は、親族同胞数多く、九州から中国地方へか....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
気を集めている。しかし、支流荒川の大鮎は姿は素敵に見事である。その味と共に、世に
推賞してよろしいと思う。 五 流れは小さいが、昨年頃から東京の釣り人の注....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
裏絵をよせたりしていた。それが悉く異彩を放っていたので、子規居士などもその天才を
推賞していた。そこで寺田寅彦君という名前は私にとって親しい名前ではあったのだが、....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
。そしてあるおでん屋の女に私を紹介した。それは妖婦タイプの女として、平生から彼の
推賞している女だ。彼はその女と私とを突合わして、何らかの反応を検ようというつもり....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
に『太平記』から散所法師の文字を見つけだして、サンジョを散在の義に解釈したのは、
推賞するに足るものである、ただその散在の文字をもって、良民と居を同じゅうする能わ....
「知らずや肝の美味」より 著者:北大路魯山人
言うべきである。 この方法を、もし生だらに利用するとせば、それは妙案であって、
推賞を惜しむわけのものではない。 (昭和十三年)....