掻き上げる[語句情報] »
掻き上げる
「掻き上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掻き上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
艫を漕ぐ女の姿が見えて来た。いよいよ近く漕ぎ寄って来た。片手を挙げて髪のほつれを
掻き上げる仕草が見える。途端に振り上げた顔を月光で検める。秀江だ。復一は見るべか....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
い子供のようなお辞儀だ。お辞儀のリズムにつれて長髪が颯と額にかかるのを氏は一々|
掻き上げる。一芸に達した男同志――それにいくらか気持のふくみもあるような――初対....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
れたが、細い首には保ち兼ねるようなたっぷりと包ませ、パラリと下がった後れ毛を時々
掻き上げる細い指先が白魚のように白いのだけでも、男の心を蕩かすに足りる。なだらか....
「妾宅」より 著者:永井荷風
》を軽く持ち上げ、片手の櫛で前髪のふくらみを生際《はえぎわ》の下から上へと迅速に
掻き上げる。髱留《たぼど》めの一、二本はいつも口に銜えているものの、女はこの長々....