掻き分ける[語句情報] » 掻き分ける

「掻き分ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掻き分けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蛇の死」より 著者:海野十三
人だかりだった。土岐はまざまざと昨夜の屍体と向き合う事を恐れながら、それでも人を掻き分ける様にしてどんどん前へ出て行った。そして人々の隙から一目お由の屍体を見る....
流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
次郎がたじろいだのを、 「どけっ。おまえなんぞ雑兵では手も出まい。おれが料る!」掻き分けるようにして、直人が下駄ばきのまま、のっそりと前へ出ると、にっときいろく....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ちた。それへ、金包みを入れた典膳は、ノッシリと立ち上がったが、礼も云わず、客人を掻き分けると、場外へ出て行った。 その後を追ったのは、お浦であった。 ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
に、その人物が進むにつれてみなぎり流れている群衆が、自然と左右へ道をよける。で、掻き分ける必要はなく、歩いて来ることができるのであった。そうしてシトシトと歩いて....
不在地主」より 著者:小林多喜二
クックッと笑いこけているのが聞えた。が、二人の足音で、それがピタリとやんだ。草を掻き分ける音が続いた。 「な、節ちゃ。――此頃こんなに皆フザけてるんに、警察でな....
木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
段一段と段を刻んである。その中には雨水が溜っていて踏むたびに飛び散る。両手で笹を掻き分けるので、三尺離れるともう先行者の姿はその中に没して見えなくなる。立ち留っ....