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掻き口説く
「掻き口説く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掻き口説くの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「勝敗」より 著者:渡辺温
なく、どんなに恋しがっていたかを、泪ながらに打ち明けた。ところが、僕がくどくどと
掻き口説くのを黙って聞いていた幸子さんは、いきなり、僕の、熱のためにカサカサ乾い....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
乱したまま土盛りの上にヒレ伏して『あなたは何故に妾を振り棄てて死んだのですか』と
掻き口説く様子を見ると、いか様、相思の男の死を怨む風情である。忠義に凝った呉青秀....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
わって、ボタボタと死骸の上へ落ちる。それが君江には悲しいらしい。ひた泣きに泣いて
掻き口説くのであった。
泣いても泣いても泣ききれなければ、口説いても口説....
「魔都」より 著者:久生十蘭
置くが、さて、花はこんなふうに赤剥けの頬に自分の頬を擦りつけながらなおもつくづく
掻き口説くのである。
大の男が三人揃っても一向見分けのつかなかったものを、一体....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ヨン公とともに急拠海峡を渡ってきたのは、燃えるような熱弁でこのことをエリザベスに
掻き口説くためだった。だがこの二人の特使がイギリスに着いたとき、風模様はすでに変....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
い、妾が云わずと知れている汝自身の身のほどを、身の分際を忘れてか、と泣き声になり
掻き口説く女房の頭は低く垂れて、髷にさされし縫針の孔が啣えし一条の糸ゆらゆらと振....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た、 「あな、おいたわしや」 と沁んみりさけんで、いらいの憂さ辛さを、涙ながら
掻き口説くのは小宰相の君だった。 ひとり三位ノ局|廉子だけは泣きもしない。泣く....