掻き揚げ[語句情報] » 掻き揚げ

「掻き揚げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掻き揚げの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仮装人物」より 著者:徳田秋声
やがてこっちを向き直った。 「山村さん。」 庸三は言うと、葉子は額にかかる髪を掻き揚げながら、 「御免なさい、こんな風して。」 黒い髪の陰に濡れ色をした大き....
」より 著者:徳田秋声
笹村は水口で渇いた口を嗽ぎながら言った。 「そうですか。」 女は鬢の紊れ毛を掻き揚げながら振り顧った。 「でも私、疳性ですから。」 六 笹村は机....
深川女房」より 著者:小栗風葉
惚れやしないからたんとお言い」とお光はちっとも動ぜず、洗い髪のハラハラ零れるのを掻き揚げながら、「お上さんと言や、金さん、今日私の来たのはね」 「来たのは?」 ....
おせん」より 著者:邦枝完二
して、薄暮の中にじっとそのまま見入ったが、二|筋三|筋襟に乱れた鬢の毛を、手早く掻き揚げてしまうと、今度はあらためて、あたりをぐるりと見廻した。 「お母さん」 ....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
ある。焦げた皮を去って、丸呑みに一噛み噛み込めば、口中に甘滋が漂う。次に、唐黍の掻き揚げが盆にでた。これは、珍味である。唐黍の果粒が含む濃淡な滋汁が、油と融け合....