掻き鳴らす[語句情報] » 掻き鳴らす

「掻き鳴らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掻き鳴らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ゼーロン」より 著者:牧野信一
なヒクソスの進軍歌を喚《わめ》きたてながら、吾と吾が胸を滅多打ちの銅鑼《どら》と掻き鳴らす乱痴気騒ぎの風を巻き起してここを先途と突進した。なぜなら私は、或る理由....
伸子」より 著者:宮本百合子
とか、遠慮がちな中国語で、母親が息子に云いきかせるのも聞えてくる。伸子は、自分の掻き鳴らす楽器の音の単調さを意識した。あの中国語もいやにおとなし過ぎる――いよい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
せるところは響かせます。小絃《しょうげん》は切々《せつせつ》として、私語のように掻き鳴らすところは鳴らします。宮商角徴羽《きゅうしょうかくちう》の調べも、乱すま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
る素振《そぶり》を示す者がある。老巧者がそれをささえる。子供は頓着なしにギターを掻き鳴らす。けれども以前のように浮き立たない。 そこへ賑やかな鳴り物が入って、....
地上」より 著者:島田清次郎
酒の熱いのに、うまい肉の生焼きをもって来い!」 「はい」と給仕女は下りて行った。掻き鳴らすマンドリンの春の小川の甘い囁きのようなメロデイが階下から響いて来た。そ....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
りまする、(間)はい、堂内の人々は皆もう茫然と見ていたばかりでござります。そして掻き鳴らす銀の竪琴の音に魂までも打ちこんで聞き惚れていたのでござります。(間)あ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
苦痛をそれに忘れたいとする容子らしく、すると次の間では、畏まって、ただちに琵琶を掻き鳴らす者があった。尊氏の息づかいも、苦患とたたかっている炎の眉も、それを聞い....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
――その数年前まで存命していたフランツ・リストが、そこに来て魔力あるアルペジオを掻き鳴らすこともしばしばであったその家を訪れて、バッハやヘンデルやベートーヴェン....