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揉みくちゃ
「揉みくちゃ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揉みくちゃの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
から、その艶書は一切引裂いて捨てて御了いなさる御積でしたが、さて未練が込上げて、
揉みくちゃにした紙を復た延して御覧なすったり、裂いた片《きれ》を繋合《つなぎあ》....
「魚服記」より 著者:太宰治
。 スワは起きあがって肩であらく息をしながら、むしむし歩き出した。着物が烈風で
揉みくちゃにされていた。どこまでも歩いた。 滝の音がだんだんと大きく聞えて来た....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
ってしまってからハッと気が付いて、娘の方を見ると、ぼんやり疲れきったようにして、
揉みくちゃになった水引だの、「病人見舞金」と楷書で書いてある包紙を見ている。 ....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
ない酒の薫りを強いてまぎらせながら、さっさと飯をしまった。そして隅の方へよって、
揉みくちゃになって放ってある新聞を見始めた。けれども、実は見る振りをしたのである....
「旅愁」より 著者:横光利一
らしいですね。」
「もうじきまたひょっこり現れるだろうが、顔を出したらもう一ぺん
揉みくちゃにしようじゃないか。そうするとあの男面白くなりそうだ。あのままだといつ....
「青年」より 著者:森鴎外
し出された小さい名刺は、引き裂かれるところであったが、堅靭なる紙が抗抵したので、
揉みくちゃにせられて袂に入れられた。 純一は証拠を湮滅させた犯罪者の感じる満足....
「流線間諜」より 著者:海野十三
もうすこし警官隊の駈けつけ方が遅かったら、屍体はもちろん、帆村自身も群衆のために
揉みくちゃになったことだろう。丁度いい塩梅に、帆村が向うの喫茶ギボンの女給に頼ん....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
二月は二十九日よ。女のひとから求婚してもよいと云われる年よ。 去年の後半は私も
揉みくちゃになったところがありましたが、云わばもう其で揉みぬいたようなところが出....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
巧妙な鬘であって、下は半白の、疎らな短か毛であった。そうして、屍体の手に、一枚の
揉みくちゃな紙が握られていたのである。 左枝君、俺は今朝、お勢でなく、高坂三伝....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
《いんしん》。 源内先生と福介はこの大混雑にあッちから押されこッちから突かれ、
揉みくちゃになりながらようやく通り抜け、利七の常宿になっている津国屋喜藤次《つの....
「落日の光景」より 著者:外村繁
生きている以上、私は自分のいかなる運命からも目を逸すわけにはいかない。私の神経は
揉みくちゃにされながら、その度に太太しくなって行ったようである。 私も、妻も、....