揉み合う[語句情報] » 揉み合う

「揉み合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

揉み合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なかった。殊にしん吉とは違って、頑丈の大男である。二人は入口の土間を転げまわって揉み合ううちに、友蔵は善八を突きのけて表へ跳り出ようとする、その横っ面に半七の強....
安重根」より 著者:谷譲次
。」、「さんざん俺たちを翻弄したな。」、「やっつけちまえ!」喚声を上げて包囲し、揉み合う。青年らは続々隣室から走り込んで来る。禹徳淳、白基竜、黄成鎬は渦中に割り....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
寄せ手の軍馬の蹄が砂漠の砂を捲き上げ、紅塵万丈として天日昏し。 真っ赤な空の下、揉み合う軍兵の呶号、軍馬の悲鳴、銅鑼《ハランガ》の音、鏑矢《かぶらや》の響き、城....
古き小画」より 著者:宮本百合子
だけを自由にし、その目的を達しようとするのだが、イランの戦士も豪の者だ。右に左に揉み合ううち、スーラーブは、だんだん自分の疲労を自覚して来た。太陽は直射せず、微....
我に叛く」より 著者:宮本百合子
も感じない或る一点、そして、彼女はそこを明にしたいばかりに云っている、或る一点に揉み合うと、彼女は泣くほか感情の遣り場がなくなった。これが、自分の唯一人愛してい....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
人々が此所へ来ると野性と出鱈目をむき出しにして、もっと/\と興味を漁るために揉み合う。球を投げ当てゝ取った椰子の実をその場で叩き割り、中の薄い石鹸色の水をご....
石ころ路」より 著者:田畑修一郎
向うの小屋から、二人の争う声が聞えた。民さんが力ずくで昌さんを苛めるらしい。何か揉み合うような音も聞える。昌さんが「あーア、あーア」という引っ張った悲しげな声を....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
もお傍を離れませぬ』 源兵衛『帰れ』 おくみ『いやじゃ、いやじゃ』 (二人、また揉み合うところに、源右衛門の家の垣の中に声あって) ×××『二人とも争うには及ば....
私本太平記」より 著者:吉川英治
藤夜叉さまには何よりのおみやげと申すもの」 「右馬どの……」と、覚一は両手の指を揉み合うように膝のうえでもじもじしながら、 「……よくは存じませんが、藤夜叉さん....