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揉み手
「揉み手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揉み手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
、永遠に硬化した肩と肩とを組み合わせていた。 ペンは始めて見る室々の怪奇さに、
揉み手をしたり、目を大きく剥いたりして昂奮という態であった。 「第九室です。すこ....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
婚媒介所の門を潜った。 「イヤ。それには持って来いのがあります」 と媒介所でも
揉み手をして彼女に一人の男を紹介した。 その男は年齢四十歳位、極めて上品な、音....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
ヘビには山羊を喰べさせるそうですが、何日位で消化しますか」 「そうですね」鴨田は
揉み手をしながら実直そうな顔を出した。「六貫位はある山羊を呑んだとしまして、先ず....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
からないが、見たところ三十を二つ三つ過ぎたと思われるオトー・ポントスはニコやかに
揉み手をしながら、六尺に近い巨体をちょっと屈めて挨拶をした。 「君が主人かネ」と....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
小初は相手をしてやると、 「へえ、へえ、済みません」 お客にするように封建的な
揉み手をして礼をいう。小初はそれをいじらしく思って木屑臭い汗の匂を我慢して踊って....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
出来ない障壁があるのです」
それに、レヴェズ氏が割って入った。そして、相変らず
揉み手をしながら、阿るような鈍い柔らか味のある調子で云った。
「ですが法水さん、....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ござります。御相宿なら半値に致スまするがいかがでござりまする」 しきりと慇懃に
揉み手をしながら、天下の御直参もまるで眼中にないもののような容子でした。 「わは....
「走れメロス」より 著者:太宰治
も無い。全部あげよう。もう一つ、メロスの弟になったことを誇ってくれ。」 花婿は
揉み手して、てれていた。メロスは笑って村人たちにも会釈して、宴席から立ち去り、羊....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
をして、火鉢に縮かまっていた。少し劇しい水仕事をすると、小さい手がじきに荒れて、
揉み手をすると、カサカサ音がするくらいであった。新吉は、晩に寝るとき、滋養に濃い....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
番頭久四郎は名刺を見た。 ――足立商会会計主任 大島鹿太郎―― 久四郎は
揉み手をしながら品物を取りに行った。 徳市がネクタイを締直すと間もなく、鏡の奥....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
稽古だの何のと申して、それは騒ぎでございましてね、はい、はい、はい。」 で手を
揉み手を揉み、正面には顔を上げずに、ひょこひょこして言う。この古女房は、くたびれ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
て、早く行く所へ行くがいいよ」 それから勘右衛門へ眼をやったが、ニヤニヤ笑うと
揉み手をした。 「妹に話がございましてね、参上したのでございますよ。……旦那、や....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
凄いようだ。魅力! 全くそのもののようだ。 「いらっしゃい」と主人、現金な奴だ、
揉み手までしてお辞儀をした。「毎々ごひいきにあずかりまして」だが、こいつはお世辞....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
イとはいった。 「これはおいでなさいませ。ええ、何か廻船のご用で?」 店の者は
揉み手をした。 「いやちょっと主人に逢いたい」 「どんなご用でございましょう?」....
「魔都」より 著者:久生十蘭
儀をする。五十五六の人の悪そうな婆。巡査部長はそろそろと加十の方へ近寄って来ると
揉み手をせんばかりの科《しぐさ》で、
「何しろ存ぜぬことで何でありまして……それ....