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描破
「描破〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
描破の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しげ》北斎がこの時代に存生していたにしても、とうていこのすがすがしい景趣ふぜいは
描破できまいと思われるほどの涼しさでした。 かかるところへ、わけても涼しげな飾....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
= Tunnel を逆に応用して、まず1を相手の心像とし、その未知数を2と3とで
描破しようと企てたのでした。そこでまず、|そこにあるは薔薇なり――と云った後で、....
「パァル・バックの作風その他」より 著者:宮本百合子
情を破壊したいきさつを摂取し、その経験によってなお強く人生を愛しつつ社会の現実を
描破し得るであろう。 人間生活の内奥に於て、感情と情熱とは同じもののように一応....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
ムの力は、どんな経済学の本よりも当時のフランスの社会相とプロレタリアートの未来を
描破しているという意味の言葉を云っている。一部の作家たちには、その一事が、作家が....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
女の平凡な市民的親切心が全く質的に一変した有様を、読者の日常心を刺すような鋭さで
描破している。私共は、そこに可怖《こわ》い程なリアリストとして心理のモメントを捕....
「「或る女」についてのノート」より 著者:宮本百合子
られるのであるが、果して作者は葉子の苦痛に満ちた激情的転々の根源を突いて、それを
描破し得ているということが出来るであろうか。 私の感想では、作者は葉子と共に、....
「バルザックについてのノート」より 著者:宮本百合子
とる態度――を描くときバルザックは殆ど淋漓たる筆力を示している。 彼が、関係を
描破した作家であるということには、未来への示唆があり、この作家が文学上のモニュメ....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
馬車の轍にしかれて落命しなければならなかったかという、女として社会に生きる惨苦を
描破している。オルゼシュコ※ァは、社会のありのままをあるがままに観察した結果とし....
「一九四七・八年の文壇」より 著者:宮本百合子
自然主義のぬりかえにすぎず、社会を客観的に見てあらゆる社会階層の現実とその発展を
描破しようとする民主主義文学でないことは明瞭です。 石川達三、林房雄氏その他の....
「動物愛護デー」より 著者:宮本百合子
を主張して泣き叫ぶカチューシャにシベリア流刑を宣告する裁判官の、無情な非人間さを
描破したのは、なぜだったろう。法律は、権力者によって自分に都合のいいように使われ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ひとの説に賛成するしないの機微。バルザックやスタンダールはこういうモメントをどう
描破しているでしょうね。 それから、絵で描いたら頭部が半分しかないような人たち....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
はありません。卑俗な欲望にわが一生もゆだねてこづきまわされつつ、あれだけ観察し、
描破しています、その力は凡庸ではないわ。 私たちのまわりには卑俗に且つ盛に小刀....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
肉林、仕事は表面のツジツマを合せるだけで手の抜き放題、金次第という腐敗堕落ぶりを
描破したもので、この小説が現れて清朝は滅亡を早めたと云われている。 しかし今日....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
のだろう。本当の人間を書いた人はチエホフであろう。人間の平凡さをこれぐらい平易に
描破した人はないが、見方を変えれば、あらゆる平凡人がみんなキチガイで異常性格だと....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
筈なのである。 競輪雑誌の記事はたくまずして観衆全体に内在するユーモアを適切に
描破しているではありませんか。 競輪騒動も、内実はみんなこのようなもので、紙一....