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「提灯屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

提灯屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
わが町」より 著者:織田作之助
式の日、他吉は附き添うて行った。 校長先生の挨拶に他吉はいたく感心し、傍にいる提灯屋の親爺をつかまえて、 「やっぱし校長先生や。良えこと言いよんなあ。人間は何....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て山田の町を歩いていたが、途中で道庵先生がふいと一軒の店へ立寄りました。その店は提灯屋。 「こんにちは、提灯を一つこしらえてもらいてえが」 「へい、おいでなさい....
紅玉」より 著者:泉鏡花
。) 画工 (あおりたる児の手を離るると同時に、大手を開いて)こうなりゃ凧絵だ、提灯屋だ。そりゃ、しゃくるぞ、水|汲むぞ、べっかっこだ。 小児等の糸を引いて駈る....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
じ九月一日の午後四時ころだった。場所は横浜市の北を占める高島町の或る露地、そこに提灯屋の一棟がもろに倒壊していて、その梁の下にお千はヒイヒイ泣き叫んでいた。 ....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
。 「お米坊。」 おじさんは、目を移して、 「景色もいいが、容子がいいな。――提灯屋の親仁が見惚れたのを知ってるかい。 (その提灯を一つ、いくらです。)といっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
二十七 食い気の半ばに村正どんは、次のような話をしました。 「昔々、京の三条の提灯屋《ちょうちんや》へ提灯を買いに行きましたとさ、提灯を一張買って壱両小判を出....
南国太平記」より 著者:直木三十五
調所の部屋の前まで来て、詰めていた呼吸を少しずつ吐き出した。 (やり損えば、首は提灯屋へ売って、胴は蒟蒻屋へ御奉公だ。南無天王様、観音様) 濡れ手拭の水を、敷....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ラブラ病とは不思議だね。実はこちらでも若殿がブラブラ病。ブラとブラとの鉢合せでは提灯屋の店へ颶風が吹込んだ様なものだ」 「なんですか知りませんが、あれは本物で御....
おせん」より 著者:邦枝完二
暮れちまわァ」 前つぼの固い草履の先で砂を蹴って、一|目散に駆け出した伝吉は、提灯屋の角まで来ると、ふと立停って小首を傾げた。 「待てよ。こいつァ市村座へ行く....
円太郎馬車」より 著者:正岡容
でもないって半殺しにされちまうわよ。それに売ろうたって今時分、盆提灯なんぞどこの提灯屋にもあるもンですか」 「…………」 「第一、教えた人がいけないわ。よりによ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ぼんやり》聞いていた。 と、藤吉が突然大声を出した。 「繩張りゃあ誰だ?」 「提灯屋でげす。」 彦兵衛も口を離した。 「提灯屋なら亥之吉《いのきち》だろうが....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
屋の石井さんにうちを売ったでしょう。あの石井さんのあるだけですね。ああ、それから提灯屋もあった。……」 伯母「あすこに銭湯もあったでしょう。」 僕「今でも常盤湯....