»
提燈
「提燈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
提燈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
亀《かめ》の子《こ》束子《だわし》、髪洗粉などを並べた上に、蚊やり線香と書いた赤
提燈が、一ぱいに大きく下っている――その店先へ佇《たたず》んで、荒物屋のお上さん....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
びに、駕籠《かご》かき人足に雇《やと》われた。氏神の夏祭には、水着を着てお宮の大
提燈《おおぢょうちん》を担いで練ると、日当九十銭になった。鎧《よろい》を着ると三....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
で、早速ホームでは車掌、貨物掛等の指揮に従って貨物の積降が開始され、駅助役は手
提燈で列車の点検に出掛けます――。一方、機関助手の杉本は、ゴールデン・バットに炉....
「わが町」より 著者:織田作之助
あるたび、駕籠かき人足に雇われた。氏神の生国魂神社の夏祭には、水干を着てお宮の大
提燈を担いで練ると、日当九十銭になった、鎧を着ると、三十銭あがりだった。種吉の留....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
。この店は馬喰町四丁目でしたが、後には小伝馬町へ引移して、飾提灯即ち盆提灯や鬼灯
提燈を造った。秩父屋と共に、凧の大問屋は厩橋の、これもやはり馬喰町三丁目にいた能....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
紳士が言ったのは、例の、おいてけ堀、片葉の蘆、足洗い屋敷、埋蔵の溝、小豆婆、送り
提燈とともに、土地の七不思議に数えられた、幻の音曲である。 言った方も戯に、聞....
「外来語所感」より 著者:九鬼周造
踊」という広告が方々に貼ってあった。やがて広場に出ると囃子のやぐらや周囲の踊場が
提燈や幕で美しく飾られていた。踊はまだ始まっていなかったが老若男女がかなり集まっ....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
の、歯齦がお鉄漿のようにみえ、結ぶと、口からうえがくしゃくしゃに縮まり、顔の尺に
提燈が畳まれてゆく。しかも、それが鋏を手に寝息をうかがう姿は、まさしく、妖怪画が....
「墓」より 著者:秋田滋
て、わたくしは今一たび彼女の肉体を見ようと思ったのであります。 わたくしは鋤と
提燈と槌をもって家を出ました。墓地の塀を乗りこえて、わたくしは彼女を埋めた墓穴を....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
のだから悪い気持もしないらしい。戸外には下男の忠蔵が、身分にも似ない小粋な様子で
提燈を持って立っていたが、 「|戎ノ宮の藪畳まで、私めお送り申しましょう」 「そ....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
らす太鼓の音を合図に、暗黒世界は忽ち光明世界に急変するのであった。家々の高張、軒
提燈は云うも更なり、四ヶ所の大篝火は天をも焦がすばかりにて、森の鳥類を一時に驚か....
「恐妻家庭円満術」より 著者:小野佐世男
う条件が入りました。一年経ちまして、ある雪の降る日に女房が私と歩いていた。フグの
提燈が下っている。ボクはフグが大好きで、雪が降ると毎日食べていた。思わずフグ
提燈....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
く死す。鱒にありては、恋愛即ち死滅也。 往復僅か五、六里と油断して、戻りは宿の
提燈に迎えられぬ。塩谷氏は年少気鋭、歩くこと飛ぶに似たり。誤って深淵に落ちけるが....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。そは遮られぬ光なればなり」 嬉しきときばかり親しまれる光ならば、それは祭りの
提燈の灯であります。悲しき場合には点されません。悲しきときばかり懐かしめる光なら....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
んど気早の人たちに選み散らされていた。それでようやく、丸太小屋の廂に奉迎と書いた
提燈を吊して、脛の長い女の子と立って笑っている肥った露西亜人の女の写ったのを一枚....