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提琴
「提琴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
提琴の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
からないのである。寒い上に、リュックサックを背負った肩が痛くなり、私はレコードの
提琴の音にひかれて、或る喫茶店のドアを押した。 そこのマダムに見覚えがあり、た....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
う風な厭な顔をしたが、
「ところが法水君、それが降矢木家なんだよ。しかも、第一|
提琴奏者のグレーテ・ダンネベルグ夫人が毒殺されたのだ」と云った後の、検事の瞳に映....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
わりかけようとしていた。エルマンを聴いて、今まで甘酸っぱいような厭味を感じていた
提琴の音のよさがわかり、ジムバリスト、ハイフェツなどのおのおのの弾き方の相違が感....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
字の烏山には文化住宅が出来ました。別荘式住宅も追々建ちます。思いがけなく藪陰から
提琴の好い音が響いたり、気どったトレモロが聞こえたりします。燈台下暗かった粕谷に....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
。「あの地獄の鐘めが、いやにうるさく我鳴り立てるもんだから、つい……」 名高い
提琴家ミイシャ・エルマン氏が、初めて大阪に来て、中之島の中央公会堂で演奏を試みた....
「追慕」より 著者:宮本百合子
する。 濃碧の湖には笑を乗せて軽舸が浮く。街道の古い並木の下では赤い小猿が、手
提琴の囃子につれて、日は終日帽子を振る。銀灰色の猫の児は今日も私のポーチで居睡っ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
れかしと望むような、小ぢんまりした、温い、乾いた明るい舞踏室と変った。 一人の
提琴手が手に楽譜帳を持って這入って来た。そして、あの高い書机の所へ上って、それを....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
内側へ向き、もう一方は真上を向いているのです。上衣は、太陽、月、星などの模様に、
提琴、横笛、竪琴、喇叭、六弦琴、そのほか、いろんな珍しい楽器の模様を交ぜています....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、儀右衛門はひさかたぶりに、法水の来訪をうけた。 舞台裏には、唐人殺しに使う、
提琴や矢筒などが、ところ狭く散らばっていて、開場前の劇場は、空間がなんとなく物侘....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
二階にあがってゆくと、その部屋には椅子が並べてあって、その端の方に、にやけた男が
提琴をひいている、するとやがてそこへ芸者が出てくるのである。芸者は頬紅をつけてい....
「十五年」より 著者:山本実彦
食後の気もちのいい時などには私などを慰める意味もこもっていたであろうが、ときどき
提琴をきかさるるときがあった。私はそのとき、あの大きな頭や、あのふくよかな顔をつ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
つかぬヴァイオリンのことを私が考えるなぞと君は思っているのですか? 〔訳者注――
提琴家シュッパンツィッヒが「ベートーヴェンの作るヴァイオリン曲は 〔tonsch....