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揚足
「揚足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揚足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
また二カ月前の通りであった。僕と彼らとは故《もと》のごとく笑ったり、ふざけたり、
揚足《あげあし》の取りっくらをしたりした。要するに僕の田口で費《つい》やした時間....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
、図書館はおもしろくなるばかり、学校はおもしろくなくなるばかり――とうとう先生の
揚足をとって、楽しむことに、集中しだした。 「あいつ社会主義や」 と、睨まれた....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
なくてはならぬ、ということになる。 真理は却って主観的なものではないか、という
揚足取りは問題にならぬ。単に内部的内面的なものはヘーゲルも云っているようにケチな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ように、この一枚の番附にすべての興が集まって、自然、当座の批評だの、軽い意味での
揚足取りだの、岡焼半分のゴシップだのというものが、遠慮なく飛び出して、選挙のこと....
「黒点」より 著者:豊島与志雄
いとわず竹楊子の内職をしてるのも、みんな私のためだそうだった。――が私は茲に母の
揚足をとるつもりではない。後で分ったことだが、母が日歩の金なんかを内々廻すように....
「青春論」より 著者:坂口安吾
る、とウッカリ口をすべらして威張ってしまった。苦労を知らない殿様同志だから、人の
揚足をとったとなるともう放さぬ。それでは今晩一晩で庭を作って見せて下さい。ああ宜....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
」 「浅く仕掛ける筈があるもんですか」 と、新十郎はふきだした。 「まさかその
揚足をとられて犯人になるとは思わずに口がすべったのでしょう。内から扉をひらいて出....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
ちらも大してはわからざる如し。 十四、どこか若々しき所ある事。 十五、皮肉や
揚足取りを云わぬ事。 十六、手紙原稿すべて字のわかり好き事。 十七、陸海軍の....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
次郎は、あべこべに詰問するような調子だった。 「宝鏡先生は、君には、いつも先生の
揚足をとって面白がる癖がある、と言われるんだ。」 「
揚足をとるって何ですか。」 ....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
わします。逆説的にいえば、彼等の評論こそエロチシズム評論ではないか――などという
揚足取りを、まさか僕はしたくありませんが、大体に於て、公式的にものを考え、公式的....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
で鼻を括ったような態度で面白くもない講釈を聞かされ、まかり間違えば叱言を喰ったり
揚足を取られたりするから一度で懲り懲りしてしまう。アレだけ綿密につけた日記に来客....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
うのであります。 七之助は聞きながら、一つ、一つ武田の演説を滑稽にひやかして、
揚足をとった。 「武田の作ちゃも偉ぐなったもんだな。――悪たれだったけ。」 健....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
しても、もとの礎石の上にこれを再建すれば、当然もとの寸尺によるべきものであるとの
揚足取りも、出来ない訳ではないのである。また平子君新発見の補闕記の問題にしたとこ....
「ヒルベルト訪問記」より 著者:高木貞治
思い出したのです.毎日三十匁の生肝を食って不治の難病と戦いつつも,駿馬も老いては
揚足を若い助手連に時々は取られながらも,どうして排中律の証明等等を書かずには居ら....
「それから」より 著者:夏目漱石
私なんぞから、御金を借りる必要があるの。可笑《おか》しいじゃありませんか。いえ、
揚足を取ると思うと、腹が立つでしょう。そんなんじゃありません。それ程偉い貴方でも....