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握り潰し
「握り潰し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
握り潰しの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
を、それとなく注意するように言って帰った。 栄之丞は少し迷惑したが、その手紙を
握り潰してしまうのも妹に対してなんだか義理が悪いように思われるので、さらに二、三....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
子の行状に関するさり気ない問合わせの手紙を出したそうであるが、それは多分、彼女が
握り潰したものであろう、一度も返事が来なかった。 白鷹夫人の心配は、そこでイヨ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
せん、時介の妻にならねば、時介は決して救うて遣る事は出来ません。持って居る証拠を
握り潰します、ハイ是は最う男子の一言で断言します、是でお分りに成りましたか」アア....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
せた。何か激しい疼痛が、彼を襲っているものらしかった。彼は左手でもって、右の腕を
握り潰しそうに掴んでいた。そのとき僕はハッと胸を衝かれたように思った。そんなこと....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
の人達の手に渡ったらしいんですの。ですから反対党の人達は大喜びで、そんな受取証を
握り潰しておいて、父がそんなものを賄賂に貰ったように検事局に投書したらしゅう御座....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
を米国に売って、総選挙の費用を稼ぐ事になります。……ですから万一閣下がその電文を
握り潰してお終いになるような事がありますれば私は大和民族の一員として、到底黙って....
「夜の靴」より 著者:横光利一
月から半年以上も行衛不明で、東京の銀行の方を調べて貰うと、銀行の女事務員が今まで
握り潰していたということが判明した。何事にも腹を立てないということは、要するに堕....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
はなく、この恐喝事件の犯罪捜査の情勢をこの犯人に通じたり、検事の令状を三度までも
握り潰したりしたことが判明したのである。処で警務課長である武内氏は犯罪捜査の情勢....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、犯人はハンカチか脱脂綿の中へ忍ばせてあったクロロフォルムのアンプールを掌の中で
握り潰し、それを後から皇帝の鼻口へ押し当てる。皇帝が昏倒されると襟髪を掴んで玄関....