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援護
「援護〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
援護の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
って相対すると毫《ごう》も異なるところなきに至る。この故に偽と悪とは優勢を引いて
援護となすにあらざるよりは、不足偽《ふそくぎ》、不足悪に出会《しゅっかい》するに....
「一兵卒」より 著者:田山花袋
闇の泥濘を三里もこねまわした。背の上から頭の髪まではねが上がった。あの時は砲車の
援護が任務だった。砲車が泥濘の中に陥って少しも動かぬのを押して押して押し通した。....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
がら、かの女の人柄や風態を見計うことを度々繰り返すようになった。 離れて彼女を
援護して行く逸作の方が、先に青年の企みある行動を気取って、おかしいなと思った。し....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
島神社の背面を西へ西へと逃走した。勇将弘中三河守は同|中務と共に主君晴賢の退却を
援護せんが為に、厳島神社の西方、滝小路(現在の滝町)を後に当て、五百騎ばかりにて....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
うやくそれを悟った。 この赤外線標識灯が点火したのが合図のように、上陸作戦軍を
援護する猛烈なる砲撃戦が始まった。更に空中よりは、ものすごい数量にのぼる巨大爆弾....
「「委員会」のうつりかわり」より 著者:宮本百合子
うかについての絶え間ない注目とを基礎にして、判断してゆく必要がある。参議院の引揚
援護委員会も吉村隊事件ではいかがわしい委員会の本質を、人々の前にむきだした。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かの新撰組の手が江戸へ舞い戻ってでも来るようなら、そのうちにはおのずから竜之助を
援護する者も出て来ようけれど、今のところ、そんなあてはなし、早駕籠で飛ばしてどこ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
がり、偉大な馬にまたがった巨人らであった。中隊にわかって二十六個、そして後方には
援護として、ルフェーヴル・デヌーエットの師団、精鋭なる憲兵百六人、近衛軽騎兵千百....
「近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
見えて、ぽつぽつと、白煙が立ち、小さい音がした。近藤は前には立木があるが、後方に
援護物が無いと思うと 「退却っ、あすこまで――」 と、叫んで、一番に走り出した....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
なかった。一度はかれこれ、五十|尋近くも下ったことがあったが、その時は、駆逐艦に
援護された、日本の商船隊を認めたときであった。 「艇長、貴方は、あの駆逐艦が怖い....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
ろ、われわれがお互につねに待ち望んでいるのは、かゝる事態が発生した場あいの応急の
援護ではなく、かゝる重大な事態が未然に防がれる恒久の対策です。 小生は、いつも....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
り、その地位を追われる心配はないのである。しかし前の場合には、競争は大きな補助で
援護されているのであり、これによって競争者は熟練と勤労が非常に劣っているのに、独....
「十八歳の花嫁」より 著者:織田作之助
。 × 私はこの話をきいて、いたく胸を打たれた。あるいはこの話は軍人
援護の美談というべきものではないかも知れない。しかし、いま私は「私の見聞した軍人....
「このたび大阪」より 著者:古川緑波
し。三十一日 一人、昼食に、アラスカへ。チーフ飯田君と何年ぶりか(戦争中に、色々
援護して貰って以来だから、十何年だ)で逢う。トロリと舌をまどわすポタージュに、カ....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
ったらこんな物売りつけられたばい」 「何ね?」 「花の日の花たい。市役所の引揚者
援護資金募集のさ。二円だよ。戦災者だから買わなくてもよかろうといって次々三人はこ....