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揶揄
「揶揄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揶揄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
以外に取り柄のない青年は彼には用のない行人だった。いや、寧《むし》ろ顔を見る度に
揶揄《やゆ》せずにはいられぬ道化者だった。それは操行点六点の彼には当然の態度に違....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
唯《ただ》聊《いささ》か時流の外に新例を求むるのに急だったのである。その評論家の
揶揄《やゆ》を受けたのは、――兎に角あらゆる先覚者は常に薄命に甘んじなければなら....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
なかったが、その縁の中ほどで、はじめて昨日汽車の中で、夫人を女|俳優だと、外人に
揶揄一番した、ああ、祟だ、と気が付いた。 気が付いて、莞爾とした時、渠の眼は口....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
の女給がだいぶん、気に入ったようだったネ」帆村は、人の悪そうな笑をうかべて、私を
揶揄った。 「ああ、マリ子のことかい」私は、しらばっくれて、云ってやった。「あの....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
君江は、白い指を顳※にあてた。 「君たちのサービスが良すぎるせいだろう」と帆村は
揶揄った。 「どうですか――」と、君江はビール壜をとりあげて、帆村の洋盃に白い泡....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
妾よりも五つ六つ下じゃないの」 と妾は少年――でもないが、その安宅真一を頭から
揶揄った。 「そんなことはないでしょう。僕、これでも二十三か四なんです」 「あら....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ものも当然用意してあります」 と、大真面目でいった。僕はそれを聞くと、ちょっと
揶揄ってみたくなり、 「ほほう。すると本艇にはお産日の近い御婦人も乗っているので....
「東京要塞」より 著者:海野十三
うも手前はこのごろいやに金使いが荒いが、なにか悪いことをやっているんじゃないかと
揶揄われ、彼の男は顔赤らめて云うには、実はここだけの話だが、この頃おれは鳥渡うま....
「流線間諜」より 著者:海野十三
なく、ただ苦し気に喘ぐばかりだった。 奇怪なる発狂者 「帆村君、君は本官を
揶揄うつもりか。そこにじっと立っていて、なぜ、あの怪紳士の行方が分るというのだ」....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
――上杉先生が、糸七同門の一人に戯に名づけたので、いう心は月賦で拵えた黒色外套の
揶揄である。これが出来上った時、しかも玉虫色の皆絹裏がサヤサヤと四辺を払って、と....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
を怖がりもしなければ、また往々にして憐れな人たちに仕向けるような悪いたずらをして
揶揄いもしなかった。かれらはまったくラザルスには無関心であり、彼もまたかれらに冷....
「暗号数字」より 著者:海野十三
色眼鏡を捨てて縁の太い眼鏡にかえ、どこから見てもじじむさくなった。そのことを僕が
揶揄うと、彼は例の大きな口をぎゅっと曲げてにやりと笑い、 「ふふふふ、ちかごろは....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、酒ますまい。そこで、志は松の葉越の月の風情とも御覧ぜよで、かつその、憚んながら
揶揄一番しようと欲して、ですな。一ツ召食れ、といって件の餡ものを出して突きつけた....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
亭を反省させあるいは屈服する事が出来ようとも思っていなかった。 然るにこの位な
揶揄弄言は平生面と向って談笑の間に言合うにかかわらず、この手紙がイライラした神経....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
てにッと笑った。博士は彼女の膝の前に放り出してある写真を手にとってにやりと笑い、
揶揄口調で云うのだった。 「やあ素敵! モダンだな。お婿さんの候補者かい? 素晴....