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揺り動かす
「揺り動かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
揺り動かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をしないのだ。おまえは何か悪いことでもしたのか」 長三郎はその腕をつかんで軽く
揺り動かすと、お冬は地に坐ったままで男の手さきをしっかりと握った。 前髪立ちと....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
的操作が一般的な世界観に与える決定関係の方も極めて間接でしかないだろう。世界観を
揺り動かすものは、量子力学や相対性理論に於ける数学的操作の力ではなくて、量子力学....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
であることを私はちゃんと知っていた。なぜなら、そのように強力で、個性の城塞までも
揺り動かすほどの薬は、ほんのちょっとでも飲み過ぎたり、服薬の時が少しでも違ったら....
「魔王物語」より 著者:田中貢太郎
重兵衛がかけたままであった。 「おい、おい、どうした」 平太郎が肩に手をかけて
揺り動かすと、重兵衛はやっと正気になった。 「あれや、狸や狐じゃない、天狗じゃ、....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
本家屋の模型を作りその振動を験測したりした。これから進んで実際の家を振動台の上で
揺り動かす大規模の実験を企てその準備にかかろうという際に病のために倒れたのである....
「光は影を」より 著者:岸田国士
つた弟のイガ栗頭が、これはなぜか影絵のように現われて消える。最後に、眉をはげしく
揺り動かす父の例の不満の表情が、あざやかな印象として、いま、彼のうつろな網膜に描....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
にも眼にも節度を失っていた。 「うん、地震でもないのに、この大建築を玩具のように
揺り動かすなんて、九十郎の不思議な力は底知れないと思うよ。だが、奈落とはよく云っ....
「海坊主」より 著者:田中貢太郎
たが、夜が更けて往くにしたがって外はますます荒れ、物凄い浪の音が小さな漁師の家を
揺り動かすように響いた。そして、一時すぎと思う比どこからともなく、 「おうい、お....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
高貴な劇に移らせようとしている。なぜなら、独り大きな題目のみが人間の奥深い臓腑を
揺り動かす事の出来るものである。今、現実其者が詩になっている。そして人々が人類の....
「書記官」より 著者:川上眉山
。あれお休みなさってはいやですよ。私は淋しくっていけませんよ。と光代は進み寄って
揺り動かす。それなら謝罪ったか。と細く目を開けば、私は謝罪るわけはありませぬ。父....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
な気持ちはあの煙のにおいと一脈の連絡を持っているように考えられる。不安な気持ちが
揺り動かす日本の都会の若さと溌剌さ。挨だらけの円タクが加奈子を突倒しでもするよう....
「娘」より 著者:岡本かの子
消費して行くかのようである。 青年の人柄も人柄なら、その技倆にも女の魂を底から
揺り動かす魅力があった。室子がいくら焦って漕いでも、相手の艇頭はぴたと同じところ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
を挽臼で挽き砕いて、粉にする。それを木製のゴマいりにいれ、たらいの水の中で静かに
揺り動かすと、白金まじりの金属が残って砂粉だけが水の中に逃げる。その手加減がむず....
「言語と文化史」より 著者:知里真志保
ヌは木で造った橇のようなものを紐で天井からつり下げて、それに赤児を仰向けに寝せて
揺り動かすのであります。それを揺り動かしながら、 ねんねのお舟が降りたぞ降りたぞ....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
のかまゆみは急に眉をしかめ、苦しそうな表情をした。 鷺娘は大成功だった、場内を
揺り動かすような拍手の中に幕となった。 百合子の母は客席から楽屋へ飛んで来て、....