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「揺蕩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

揺蕩の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雛妓」より 著者:岡本かの子
忘れ、青畳ごと、雛妓とわたくしはいつの時世いずくの果とも知らず、たった二人きりで揺蕩と漂い歩く気持をさせられていた。 雛妓ははじめ商売女の得意とも義務ともつか....
海流」より 著者:宮本百合子
がいつ願ったことがあるだろう! 生活に対する瑛子の怨恨はいつもここまで遡った。揺蕩たる雰囲気に包まれて書かれ、語られる新婚の生活も、瑛子の現実ではまるで違った....
一九二七年八月より」より 著者:宮本百合子
ずいつくしんで見るようになる男の心持ない わけ。 〔欄外に〕 翌朝、何か一種揺蕩たるややエロティックな感じあり。対手を見なおす心持、何か他人でないような気持....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
想ひに沈み降り行く 見よその蒼色忽然として色を染め 金紅色の日の下にわれを忘れし揺蕩は 酒精よりもなほ強く汝が立琴も歌ひえぬ 愛執の苦き赤痣を醸すなり アルチュ....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
力と形式のほかのどんな場所でもあり得ない。蓋し一たん縹渺たる音楽の世界へ放たれて揺蕩する彼のリアリズム精神は、再び地上に定着されるや、ほかならぬその形式のもとに....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
も求めたら得られる程度に、歴史の学問を推し進めなければならぬ。いつも民間の論議に揺蕩せられつつ、何らの自信も無く、可否を明弁することすらもできないのは、権能ある....