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損耗
「損耗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
損耗の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
食費、それから鰊の製造費等、これも一万五千円はたっぷりかかった。もしも時化で網の
損耗でもあればそんなことではとてもすまないのだ。そしてこの毎年の仕込資金の工面が....
「青年」より 著者:森鴎外
な会話をしたかを記憶しない。この記憶の消え失せたのはインテレクトの上の余り大きい
損耗ではないに違いない。しかし奇妙な事には、己の記憶は決して空虚ではない。談話を....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
やっとその真実の幾部分かずつを知りはじめた。 太平洋戦争において陸軍関係の人的
損耗、四九万六千人 海軍関係人的
損耗、六六万二〇七九人 太平洋戦争開始以来一般空....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に三つしか当らないわけのものだろう。当った時の儲《もう》けは、外《はず》れた数の
損耗で、とうにさっぴきがついている。勝のおやじ、この経済の打開をどうするか。そこ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ていわく、これ大天(ヒンズー教のシワ大神)の部属で、性三宝を愛し、五衆を護持し、
損耗なからしむ。求むる者情に称《かな》う。ただ食時に至り厨家ごとに香火を薦《すす....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
は必ず一致すべきはずであるのにそれが合わないとすれば、計算が粗雑である種の経費の
損耗を見落しているとせねばならぬ。また知らぬ間に盗まれたか失ったか、その辺のとこ....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
を有ち、それは極めてわずかの労働で貨物の生産をなし得るとし、かつもしかかる機械の
損耗磨滅は僅少量であり、一般的利潤率は一〇%であるとするならば、私はその機械を使....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
少不平なりき。しかし出来るだけは完美にしたいとは思う也。御勉強可被下候。壱円位の
損耗ならば小生より差出してもよろしく候。 鳴雪翁のうれしさはあたかも情郎の情婦....
「妖怪学」より 著者:井上円了
万事器用にして人に用いらるる。その他、弁舌よく、それがために吉なることあり、また
損耗することあり、女難などあり、内心に殺伐の気あり。慎むべし。 八白に生まるる人....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、興行者としてはまことにやむをえないことで、こういう苦しい事情のもとに、とかくに
損耗の多い芝居をどうにか打ちつづけて、今日の隆盛時代に到達するまでの橋渡しをして....