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「搗き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

搗きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だ米屋へ行った時に、おれの眼についたのは藤助という奴だ。越後か信州者だろうが、米搗きにしちゃあ垢抜けのした野郎だ。あいつの身許や行状を洗ってみろ」 「あいつが曲....
世相」より 著者:織田作之助
坊ン坊ンだ。女が皆同じに見えちゃ良い小説が書けっこありませんよ。石コロもあれば、搗き立ての餅もあります」日頃の主人に似合わぬ冗談口だった。 その時、トンビを着....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
気平癒、失せもの尋ねもの、まあ早くいえば世間一統の行者の祈祷に、うらないの判断を搗きまぜたようなもので、それがひどく効目があるというので、ばかに信仰する奴らがあ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
左衛門と娘のお朝の二人だけである。ほかには彼の遠縁の重吉と、下女のおかんと、米|搗きが二人と小僧が一人と、あわせて一家七人暮らしであるが、喜左衛門は手堅く商売を....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
ぐる雑巾がけをする。丹精な人は掃除にまで力を入れるのだ。 朝飯が済む。満蔵は米搗き、兄は俵あみ、省作とおはまは繩ない、姉は母を相手にぼろ繕いらしい。稲刈りから....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
に覗かれ、それからテラコッタ型の完全な円筒形の頸のぼんの窪へ移る間に、むっくりと搗き立ての餅のような和みを帯びた一堆の肉の美しい小山が見えた。 「この女は肉体上....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
を食わせる。手習の師匠であれば、たなばた祭もする。煤はらいには甘酒をのませる、餅搗きには餅を食わせるというのですから、師匠は相当の物入りがあります。それで無月謝....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
紙屋を見てあるいて、とうとう芝まで行ったことがあった。 歳の市を観ないでも、餅搗きや煤掃きの音を聞かないでも、ふところ手をして絵草紙屋の前に立ちさえすれば、春....
極楽」より 著者:菊池寛
ん/\透明になって行くと、それが止め度もなく、明るくなって行って、日輪月輪の光を搗き交ぜたよりも、もっと強い光の中におかんは、ふら/\と立って居る自分を見|出し....
栃の実」より 著者:泉鏡花
お通りにはなりません。こんな山奥の、おはなしばかり、お土産に。――この実を入れて搗きますのです、あの、餅よりこれを、お土産に。」と、めりんすの帯の合せ目から、こ....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
ますの。」 「何と言って……その唄は?」 「極が悪うございますわ。……(太郎は米搗き、次郎は夕な、夕な。)……薄暮合には、よけい沢山飛びますの。」 ……思出し....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
頼まれると日傭取になって、麦をひけと言われれば麦をひき、米を搗けと言われれば米を搗き、船を漕げと言われれば船を漕ぐ。仕事が余る時には、臨時に主人の家に寝泊りして....
博物誌」より 著者:岸田国士
いい。 そら、聞えはせぬか――どこかはるかに高く、金の杯のなかで水晶のかけらを搗き砕いているのが……。 雲雀がどこで囀っているのか、それを誰が知ろう? 空....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ない事おびただしい。それがようよう開場されても、はじめに触れ出された狂言をまるで搗き換えてしまうこともある。今から考えると、あまりにも人を馬鹿にしたような遣り方....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、かえって彼をして依姑地に自己主張させるのである。純粋な悔恨と、技巧だけの媚辞を搗きまぜた手紙は、思ったとおりの効果を女王に与えた。女王は帰ってこいと熱望する。....