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「搾り出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

搾り出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富岡先生」より 著者:国木田独歩
就いていてその枕許に薬罎が置いてある。 「オヤ何所かお悪う御座いますか」と細川は搾り出すような声で漸と言った。富岡老人一言も発しない、一間は寂としている、細川は....
囚われ」より 著者:豊島与志雄
がら足早に通りすぎた。 「僕はこの頃生活が厭《いと》おしうなって来た!」と恒雄は搾り出すようにして云った。 「あなたの心はこの頃静かではありませんか。」と孝太郎....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
味いもなく、従って力強くも快くも響かないのです。つまり、なんとなく貧弱で、無理に搾り出すようなところがあり、しばしば調子が狂いそうな危っかしさを感じます。観てい....
外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
眼をもって暫らく松島氏の顔をながめた。 「あなたは隠しております」と、総監は声を搾り出すようにして言った。 「決して隠してはおりません」 総監は暫らくの間苦し....
三つの痣」より 著者:小酒井不木
、丁度腸をもって首を巻こうとするような動作を行いました。 「ウーン」と腹の中から搾り出すような声を出したかと思うと、どたりとたおれて、後頭部で腸管を圧し摧き、凡....
新案探偵法」より 著者:小酒井不木
りと坐りこみました。 「ああ、よし子か。よく生きて居てくれた」 男は腹の底から搾り出すような声でそう叫びながら、呆気にとられて立って居る検事と鯉坂君との前で、....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
違わなかった。沈毅な容貌に釣合う錆のある声で、極めて重々しく一語々々を腹の底から搾り出すように話した。口の先きで喋べる我々はその底力のある音声を聞くと、自分の饒....