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「摩訶不思議〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

摩訶不思議の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤外線男」より 著者:海野十三
ている人にとっては、これ又奇怪な事件であることに、この迷宮事件が後になって、例の摩訶不思議な「赤外線男」事件を解く一つの重大なる鍵の役目を演じたことを思えば、尚....
地球盗難」より 著者:海野十三
ベビー服は涎かけのように、申し訳にその首のあたりにぶら下っていた。こうして現れた摩訶不思議なる赤ン坊の大入道! 昔のお伽噺に、魔法の国から成長液の入った壜を盗....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
漢に立ち帰って、そんな素敵な記憶の数々を、ミジンも脳髄に残していないというような摩訶不思議をあらわす。そうして『脳髄は物を考える処』とか『感ずる処』とか『記憶す....
風流仏」より 著者:幸田露伴
抱しめて額に唇。彫像が動いたのやら、女が来たのやら、問ば拙く語らば遅し。玄の又玄摩訶不思議。 団円 諸法実相 帰依仏の御利益眼前にあり 恋....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
キリストはそれを見て、心のなかでこんなことを思いました。そして神の子に生れて、摩訶不思議な力を持っているものの世間の狭さ、窮屈さを思って、微かな溜息をもらしま....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
し被さって来る。が、その空気は間もなく空闥に依って破られた。この老達な説教師は、摩訶不思議な花火を携えて登場したのであった。 空闥と云う五十恰好の僧侶には、被....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
。その老人がこんなことを云った。 「ここに小さな壺がある。が、普通の壺ではない。摩訶不思議の仙人壺だ。そうして俺は仙人だ、嘘だと思うなら見ているがいい。この壺の....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
イのことになると彼は、情合と当惑が半々にまじったような微笑をちらりと浮べ、これは摩訶不思議なことだからうっかりした事は言えぬとでもいった風に、声を低めたそうであ....
河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
実、常識を失っている。 これらにむかってわれわれが冬季常食する天下唯一の美味、摩訶不思議の絶味であるふぐの料理が、いささかの危険性なき事実を諄々力説してみても....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ら、千早の城へ一目散に帰るつもりだ」 「ち、千早へ」 「おおよ! てめえのような摩訶不思議な爺イに下郎仕えするくらいなら、木の根を食っても、千早へ行く! いやお....
私本太平記」より 著者:吉川英治
む人間どもにありとしか思われぬ」 答「……権力。そうです。権力欲とは何なのか。摩訶不思議な魅力をもって人間どもを操り世を動かす恐ろしいものに相違ございません」....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
い誰の所業か、何の作用か、私は人間同士の住むこの世には、何か「誰」と指摘できない摩訶不思議な素因がどこかに跳梁している気がしてならない。 小説の中では、そんな....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
産したほど厄介なる人物である。 これが、石橋山の頼朝のそばにいた。世の中という摩訶不思議な実態を、歴史として観、小説として人が読むおもしろさは、こんなところに....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
広くあけて並んでいた。如何にも均斉を保った配置であった。それらの凡てがまた極めて摩訶不思議な生命力の威厳を顕現しているのである。 静中の動、動中の静、兼ね備え....