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撓い
「撓い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撓いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れでも敷居をまたぐと土間のすみの竈には火が暖かい光を放って水飴のようにやわらかく
撓いながら燃えている。どこからどこまでまっ黒にすすけながら、だだっ広い囲炉裏の間....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
を圧えたんですがね……たらたらと赤いやつが沁みそうで、私は顔を見ましたよ。触ると
撓いそうな痩せぎすな、すらりとした、若い女で。……聞いてもうまそうだが、これは凄....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
を生ずる点で、効率がいいという説もあるがこれは研究してみないとわからない。しかし
撓いぐあいはたしかにこのほうが柔らかで、ぎごちなくないように思われる。これに反し....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
此方の欄に掴まりたるわが顔を見て微笑みたまいつつ、腕さしのべて、葉さきをつまみ、
撓いたる枝を引寄せて、折鶴、木※、雛の形に切りたるなど、色ある紙あまた引結いては....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いうことは出来ない、残念であるが。二人分を感じて、私の心は撓《しな》うようです。
撓いつつ甘美な苦痛を感じて、折れないという自覚のよろこび。 抽象的なことを喋っ....
「古木」より 著者:豊島与志雄
大地の鳴動と震動に、椎の大木は、幹に亀裂がはいりはすまいかと思われるほど揺ぎ且つ
撓いました。然しそれも一瞬のことで、引続く余震には毅然と抵抗しました。 近くに....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
彼の体は、脂肪も贅肉も取れて、痩せすぎるほどに痩せていた。それでいて硬くはなく、
撓いそうなほどにも軟らかく見えた。そういう彼が、左の手に刀を持ち、それを畳の上へ....