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撞着
「撞着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撞着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
なくなりました。この不可解しごくな転換は、まったく考えても、考えきれぬほど異様な
撞着《どうちゃく》でございましょう。現実私でさえも、その二つとも、自然の本性に反....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いないのはまだしもの幸だった。お前は多分そこから救い出されるだろう。その不平均の
撞着の間から僅かばかりなりともお前の誠実を拾い出すだろう。その誠実を取り逃すな。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
づけてもしかるべきものである。これは物質の総量が不変であるという現代科学の立場と
撞着するのみならず、また野蛮民等がその身辺から収集した原始的の経験とさえも融和し....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
いて嘆息したものが、今は子どもに死なれて、生命もそこなうばかりに泣いた。 矛盾
撞着……信仰のない生活は、いかりを持たない船にひとしく、永遠に安住のないことを深....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
純の士であり乍ら、作風のみは大人君子の風格を学び備えて居る為めにその二者の間隙や
撞着矛盾が接触する者に誤解を与える。」こんな意味のものだった。葉子がより多く氏を....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
故ダンネベルグ夫人は、その洋橙のみに手を伸ばしたのだろうか。つまり、その驚くべき
撞着たるやが、毒殺者の誇りなんだ。まさに彼等にとれば、ロムバルジア巫女の出現以来....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
り充実したるものはあらず、学理と実際とに照らしてその説を立てしかして首尾不同前後
撞着の弊少なかりしは、実にこの論派を然りとなす、改進論派の吟味はここに止め、吾輩....
「転機」より 著者:伊藤野枝
って話される悲惨な事実は、いつまでも尽きなかった。ことに、貯水池についての利害の
撞着や、買収を行なうにあたっての多くの醜事実、家屋の強制破壊の際の凄惨な幾多の悲....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
衛門に不思議な心理が起りはじめた。 と云うのは、考えても考えきれぬような異様な
撞着ではあるけれども、そうして、人魚に伝説の衣を着せ、美しい霧一重に隔てて眺めは....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
である。二十八年の長きにわたって当初の立案通りの過程を追って脚色の上に少しも矛盾
撞着を生ぜしめなかったのは稀に見る例で、作者の頭脳の明澄透徹を証拠立てる。殊に視....
「迷信解」より 著者:井上円了
る不可見なるものが目に見ゆる道理はない。よって、俗に幽霊を見たりというは、自家|
撞着のはなはだしきものである。もっとも、世に霊魂の滅不滅につきて論ずるものがある....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
拘わらず、前にいったような反対した性質を備えて居る。要するにチベット婦人は自家|
撞着の性質を一身に備えた、奇妙奇態な婦人であると思われたです。
は先にいったよ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
っている根本をも、一緒にくっつけて現実を見詰めるのですから、表面だけの変化や矛盾
撞着に瞞着されません。根本になる実体に充分注意しておりますので、それから出て来た....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
るにここに本編において、自ら「特殊部落」という名称を用いているのは、すこぶる自家
撞着の嫌いがあるが、それは説明上やむをえぬ事として、しばらく御容赦にあずかりたい....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
ても、実際には応用し得ない場合もあるのである。 また、甚だしいのになると、矛盾
撞着、得手勝手極まるものもあって、必ずしも食道楽家であるがゆえに食通ならず、従っ....