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「撫育〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

撫育の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て、帝自ら玉簾の内より進みいでられ、国々を巡らせたまい、簡易軽便を本として万民を撫育せられるようにと申上げたものがある。さてこそ、この未曾有の行幸ともなったので....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
られた旧習をも打ち破られ、帝自らかく国々に御幸したまい、簡易軽便を本として万民を撫育せられることは、彼にはありがたかった。封建君主のごときものと聞くヨーロッパの....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
れ、売られ、虐使され或は北アラスカの荒涼たる氷原に橇《そり》を引き、或は愛犬家に撫育されて人の感情に鍛えられ、文化や野蛮の間に彷徨しながら、遂に天性の野獣性が眼....
石狩川」より 著者:本庄陸男
彼の一族は、「天下各藩とは相違ひ、昨年中ご減禄仰せ出《いだ》され候末のこととて、撫育《ぶいく》仕るべき様これなく家来ども七百戸三千七百余人の人員を移住致させ候儀....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
、御両親は掌中の璧と愛で慈しみ、後にお子供が出来ませず、一粒種の事なれば猶さらに撫育される中、隙ゆく月日に関守なく、今年は早や嬢様は十六の春を迎えられ、お家もい....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
たる私の唯一の知恵である。私はそれを明らかに感じ分けることができる。母親が幼児を撫育するとき男性が女性を求むるときに働くものは本来愛ではない。男女、母子の間に愛....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
時間をゴルフと自動車に、その余りの時間で市会議員ともなり、その余りの時間で愛妾を撫育し、最後の甚だ吝ったれた時間を夫婦|喧嘩に費すという身分ででもあれば、私は、....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
あった。そこにはテロルが期待されたからである。――それだけではない、大衆に対する撫育になれた彼等少数者は、未知の英雄が登場して来て、彼等にとって甚だファミリヤー....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
とかして家に閉じ込め置かん者と思いおりしに、彼の愛児に対する、毫《ごう》も慈母の撫育《ぶいく》に異《こと》なることなく、終日その傍《かたわら》に絆《ほだ》されて....
明暗」より 著者:岡本かの子
茸、紅|生姜――青い青葉、青い虫、黄いろい菜の花、山吹の花。 こう愛情で心身の撫育を添え労りながら、智子の教え込む色別を三木雄は言葉の上では驚くべき速度で覚え....
妖怪報告」より 著者:井上円了
するを見聞し、無上の快事といたしおり候。当時も四、五羽相集め、暇さいあればこれを撫育いたしおり候に、小鳥もまた押馴し、食物を掌上に載せ出だせば、来たりてこれを啄....
「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
争して、甚だ憐むべき状態であったのである。そして我が天孫は、彼らを懐柔し、彼らを撫育し、この豊葦原の瑞穂の国を安国と平らけく治ろしめすべく、降臨し給うたものと信....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
は全くジェ・ゾンカーワの化身である。ロシアの皇帝の善い事というものは、常に人民を撫育して自由を与え、そして外国に対してはごく親切に付き合われる。昔の金輪を転じた....
蒼白い月」より 著者:徳田秋声
雪江との間には、次ぎ次ぎに二人の立派な男の子さえ産まれていた。そして兄たち夫婦の撫育のもとに、五つと三つになっていた。兄たち夫婦は、その孫たちの愛と、若夫婦のた....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
地に人民は居りました。所謂国津神の系統の民族です。そこへ天孫民族が来て、先住民を撫育し、これを同化し、互いに寄り合って日本民族は出来たのです。その中でも天孫民族....