»
撮
「撮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
薔薇《ばら》の花が写真の前に置かれている。それにつけて思い出すのは私があの写真を
撮《と》ってやった時だ。その時お前たちの中に一番年たけたものが母上の胎に宿ってい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
芬とさせ、居間から顕われたのはお蔦で、艾はないが、禁厭は心ゆかし、片手に煙草を一
撮。抜足で玄関へ出て、礼之進の靴の中へ。この燃草は利が可かった。※と煙が、むらむ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
対速度が遅いほどこの溝は広くなるのである。しかるにウォルフ及びバーナードの写真に
撮った物はその距離が余りに遠いために上述のような溝があってもそれは到底写真には現....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
から出すと、手代が一代の逸話として、よい経験を得たように、しかし、汚らしそうに、
撮んで拡げました。 (よう!)と反りかえった掛声をして、 (みどり屋、ゆき。――....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の上へ小綺麗に取ってくれる。 扇子だけ床几に置いて、渋茶茶碗を持ったまま、一ツ
撮もうとした時であった。 「ヒイ、ヒイヒイ!」と唐突に奇声を放った、濁声の蜩一匹....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
。」 「さればなす……」 と、爺さんは、粉煙草を、三度ばかりに火皿の大きなのに
撮み入れた。 ……根太の抜けた、荒寺の庫裡に、炉の縁で。…… 三....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
りょう、恐ろしさ。古手拭で、我が鼻を、頸窪へ結えたが、美しい女の冷い鼻をつるりと
撮み、じょきりと庖丁で刎ねると、ああ、あ痛、焼火箸で掌を貫かれたような、その疼痛....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。 十一 「こむ僧でしょうか、あれ、役者が舞台の扮装のままで写真を
撮って来たのでしょうか。」 と伸上るので、お嬢さんも連れられて目を遣った。 ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
るから、茶を飲みたければ飲むと……羊羹がある。一本五銭ぐらいなんだが、よければお
撮みと……今に何ぞご馳走しようが、まあ、お尋の件を済ましてからの事にしよう、それ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、夫人の黒髪を両手で圧えた。 峡の婆、僅に手を解き、頤で襟を探って、無性らしく
撮み出した、指の爪の長く生伸びたかと見えるのを、一つぶるぶると掉って近づき、お伽....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
お姫様なんざあ学者の先生だけれども、こいつあ分らない。」と件の手巾の包を目の前へ
撮んでぶら下げた。その泥が染んでいる純白なのを見て、傾いて、 「何です。」 「見....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
部などの外国物専門の館へは、大概欠かさず見に行く。しかして回を追って、筋の上にも
撮影法の上にも、あらゆる点において進歩しつつあるのを見るにつけて、活動写真も茲十....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
……十六夜さん、三千歳さん?」 「薄雲、高尾でございます。これでもそこらで、鮨を
撮んで、笹巻の笹だけ袂へ入れて振込めば、立ちどころに仙台様。――庭の薄に風が当る....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
なる令嬢を振返って、一斉に此方を見向いた時、お夏は会釈も仕後れて、畳んだ手巾を掻
撮んで前髪の処に翳したのである。 応とでも言葉がかかれば、取縋る法もあるけれど....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
べてからどうしたんです。」 「私もずッと乗が来て、もう一ツお食んなさい、と自分も
撮みながら勧めました。 (沢山)とあるから、(それじゃお土産に、)と洒落にいって....