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撲殺
「撲殺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撲殺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
ころを、一匹の黒犬のために啣《くわ》え出された。市長は今後名古屋市に限り、野犬|
撲殺《ぼくさつ》を禁ずると云っている。
読売新聞。小田原町《おだわらまち》城内....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
牛疫が起こった。いきおい猛烈にわが同業者を蹂躙しまわった。二カ月の間に千二百頭を
撲殺したのである。僕の周囲にはさいわいに近くにないから心配も少ないが、毎日二、三....
「蠅男」より 著者:海野十三
西山某なる商人の所持金を奪うため、海岸の人気のないところで棍棒をふるって無慚にも
撲殺し、所持金を奪って逃走した。誰知らぬと思いの外、それを同じくこの地に出稼ぎ中....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
な妖物をそのままにして置くわけにはゆかないので、韓はその犬を庭さきへ牽き出させて
撲殺した。奉公人どもはその肉を煮て食ったが、別に異状もなかった。 韓はさらに近....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
どは一向に恐れなかったが、暗い途中で犬に取り巻かれるのに困った。今日のように野犬
撲殺が励行されていないので、寂しい所には野犬の群れが横行する。春木座へ行く時には....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
が、殆丸太のような桜のステッキをついていた所を見ると、いくら神経衰弱でも、犬位は
撲殺する余勇があったのに違いない。が、最近君に会った時、君は神経衰弱も癒ったとか....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
その詩情を満足せしむる限り、乃木大将を崇拝する事を辞せざると同時に、大石内蔵助を
撲殺するも顧る所にあらず。佐藤の一身、詩仏と詩魔とを併せ蔵すと云うも可なり。 ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
群像が顫えながら、覚明を見詰めて、立っていた。 覚明が背後から鉄の杖で、浪江を
撲殺しようとしたのを、早くも気勢で察した茅野雄が、刹那に浪江を引っ抱え、瞬間に飛....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
いなかった事である)。 B 三枝が加害者である場合 三枝は綿井の自殺後秀岡を
撲殺した。又は秀岡を
撲殺後、綿井をも機上からつき落した。ただしこの場合も金の行方....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
洋料理店H軒で食事をし、墓地の形が似ているところから隣の東泉寺の墓地へ連れこんで
撲殺し、衣類や下駄を脱いで何食わぬ顔して戻ってきました。 ところが愚鈍だと思っ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
来たッていうんです。」 「はてな。」 「それでね、出来るものならふん捕えて畜生|
撲殺してやろうと思って、こう胸ッくそが悪くッて、じっとしていられねえんで、まった....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て拘留された。当時哈爾賓では畜犬|箝口令が布かれ、箝口せざる犬は野犬と見做されて
撲殺された。然るに徳永商店では教頭の飼犬の中の一頭だけ轡を施こして鎖で繋いだが、....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
小熊はなおさら可愛らしく見ゆ。この小熊の行末は動物園の檻に入れらるるか、それとも
撲殺せらるるか、いずれにしても人に捕えられたる以上は、もがいても、あせっても、泣....
「活人形」より 著者:泉鏡花
えざりけん、「ひい、殺して下さい殺して。と、死を決したる処女の心。よしやこのまま
撲殺すとも、随うべくも見えざれば、得三ほとんど責倦みて、腕を擦りて笞を休めつ。老....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
小舎であった。 ほんの掌ほどの畠、刺身のつまほどの菜っ葉。 塩漬肉の貯蔵庫、
撲殺人の粗末な宿所、その外の砂地に散乱した白い獣骨、鬱金色の岩菊。 此処まで上....