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擦れ擦れ
「擦れ擦れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擦れ擦れの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
はそれが、張出し幕の縫目を漏れて茫と座敷へ映るのであろう……と思う。欄干下の廂と
擦れ擦れな戸外に、蒼白い瓦斯が一基、大門口から仲の町にずらりと並んだ中の、一番末....
「爛」より 著者:徳田秋声
た。 四十一 婿に定められようとしたその男の、両親たちなどとの間の、
擦れ擦れになった感情が衝突して、お今の上京後一人で東京へ逃げ出して来たという事実....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
まだ夢中で、嘉吉めは船に居る気でおります、よの。 胴中の縄が弛んで、天窓が地へ
擦れ擦れに、倒になっておりますそうな。こりゃもっともじゃ、のう、たっての苦悩。 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
十二人、同じ姿で揃って練ります。が、自分の髪を入髪なしに解ほぐして、その緋の袴と
擦れ擦れに丈に余るってのは、あの婦ばかりだと云ったもんです。一度引いて、もうそん....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
伸びたれば、蛇の衣を避けて行く足許は狭まって、その二人の傍を通る……肩は、一人と
擦れ擦れになったのである。 ト境の方に立ったのが、心持|身体を開いて、頬の皺を....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
ん。」 「成程。それも御|道理でがす。」 と再び二人は飛行船に乗じて、今度は地と
擦れ擦れに進みながら、そこここと見下すとある山の麓にこんもりとした林があってその....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
岸の方を眺めて見ると遙か彼方に断崖のように赭黒い色をして聳えている。いつもは岸に
擦れ擦れになって湖水の水が湛えているのに、今は一丈余の断崖となって森林を背負って....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
いでいた。そのすぐ後方から、一梃の駕が
「頼ん」
と、声をかけて、崖っぷちを、
擦れ擦れに追い抜こうとした。一梃抜き、二梃抜き、三梃目のを抜いた時、その駕の中の....