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擦過傷
「擦過傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擦過傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
死体に手をかけて、前の姿勢から半分ほども起き返らしてみた。死体には別に、岩角での
擦過傷というようなものはなかった。胸から脇腹《わきばら》にかけて、出血のために着....
「地獄街道」より 著者:海野十三
。但し三人の住所は近所ではなくバラバラであった。第三に三人の屍体は同様の打撲傷や
擦過傷に蔽われていたが、別にピストルを射ちこんだ跡もなければ、刃物で抉った様子も....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
いた。更に又、屍体の所々――両方の掌、肩、下顎部、肘等の露出個所には、無数の軽い
擦過傷が痛々しく残り、タオル地の寝巻にも二、三の綻ろびが認められた。 私がこの....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
く、顱頂骨の後部に近くアングリ口を開いた打撲傷や、その他全身の露出面に亙る夥しい
擦過傷等も明かになった。 私達は協力して暫くその辺を探して見たが、勿論殺害に使....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
も僅か二、三十秒位の間しかない筈である。
なおこの他に、縛られた手首には皮膚に
擦過傷が現れている。
猥褻暴行の跡はない。
(この最後の一行は、蛇足のようだが....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
面も、露出された肩も足も、一様にしらはじけて、恐ろしく緊張を欠いた肌一面に、深い
擦過傷が、幾つも幾つも遠慮なく付いている。裸けられた胸部には、丁度心臓の真上の処....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
傷つきやすさ、悲しみやすさ、そういうものがやさしさと思われているが、人生はそんな
擦過傷の上にぬる、つばのようなものではない。人間は高貴な心、明智が増せば増すほど....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
びおりた。恐怖のためか元気を出したのか、コゼットは息をも潜めていた。両手には少し
擦過傷《すりきず》がついていた。
六 謎《なぞ》のはじめ
ジャン・ヴァルジ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
では少しもなされなかった。彼は黙々として人を救っていた。その上、彼はただわずかな
擦過傷《かすりきず》を受けたのみだった。弾は彼にあたることを欲しなかった。彼がこ....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
イウエイ》から二十呎の高さを墜落した際に受けたであろうと推測される数個の微小なる
擦過傷が顔面に認められた丈けで、外傷としては、他に何ら死因と思為し得べきものを発....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
者の場合に見られるような泡は見えず、細胞組織には変色はなかった。咽喉のまわりには
擦過傷がついており、指の痕がのこっていた。両方の腕は胸の上に曲げられて剛直してお....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
。縛られる時か、縛られた後、縛《いましめ》をとろうともがいた為か、両手首の皮膚に
擦過傷が見られ、なお咽喉にまきつけられた紐の為に、その皮膚にもいくらかかすり傷が....
「春心」より 著者:田中貢太郎
関銃の音がよみがえった。砲煙、銃火、連隊旗、剣、赤鬼のような敵兵。 (左の脇腹に
擦過傷を一つ負うただけで、金鵄勲章をもらって、人からは日露戦争の勇士だの、なんだ....
「歌う白骨」より 著者:妹尾アキ夫
のようなものに食い荒らされているものだが、そんな様子もなく、ただ後頭部に不規則な
擦過傷があるだけで、そのほかには骨折もなければ、大きい傷もなかった。 ソーンダ....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
たの?」 「それはなんでもないことだ。そしてまちがいなしだ。左のこめかみのへんに
擦過傷があったのは、君も見ただろう? あのくらいの傷は汽車にひかれたってできるわ....