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「擬物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

擬物の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
事をした。 「そうだよ。頭のものだよ。黄八丈に紋縮緬の着付じゃ、頭のものだって、擬物《まがいもの》の櫛《くし》や笄《こうがい》じゃあるまいじゃないか。わたしは、....
明暗」より 著者:夏目漱石
かくおび》を締《し》めて、わざとらしく平打《ひらうち》の羽織の紐《ひも》の真中へ擬物《まがいもの》の翡翠《ひすい》を通したのだのはむしろ上等の部であった。ずっと....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
すまいとお思いでござりましょうが、疑うべき証拠があがってみれば、やむをえませぬ。擬物の男雛をあつらえてこしらえさせたことまでわかりましてござりますゆえ、念のため....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たと安心しました。 米友は、自分は興行に使われたことがある。両国の大きな小屋で擬物《まがいもの》の黒ん坊にされていた経験があるから、多数の見物には驚かないが、....
金狼」より 著者:久生十蘭
る。新宿劇場の近くで、〈磯なれ〉という小料理屋の、いかにも安手な離れ座敷だった。擬物《まがいもの》の大きな紫檀の食卓を挾んで、那須と古田が腕組をしている。すこし....