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支える
「支える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
支えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
た一人のおふくろに死別《しにわか》れた後で、それこそ日々《にちにち》の暮しにも差
支えるような身の上でございましたから、そう云う願《がん》をかけたのも、満更《まん....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
りあげ》代金の中から厳密に小作料を控除された。来春の種子《たね》は愚か、冬の間を
支える食料も満足に得られない農夫が沢山出来た。
その間にあって仁右衛門だけは燕....
「生きている腸」より 著者:海野十三
のである。 窓ガラスは、するすると上にあがった。うべなるかな、熊本博士は、窓を
支える滑車のシャフトにも油をさしておいたから、こう楽に上るのだ。 よって医学生....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ました。 砲兵力の進歩が敵散兵線の突破を容易にするので、防者は数段に敵の攻撃を
支えることとなり、いわゆる数線陣地となりましたが、それでは結局、敵から各個に撃破....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
がユラユラと振動してウワンウワンウワンと奇怪な唸り音がそれに応じたようであった。
支える遑もなく相良十吉は気を失って、うしろにどうと仆れてしまった。 私は直ぐさ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ト路面の廊下が、どこまでも続いていて、なにが通るのか、軌道が敷いてあった。地面を
支える鉄筋コンクリートの太い柱は、ずっと遠くまで重なり合って、ところどころに昼光....
「春昼」より 著者:泉鏡花
。 そのはずでござるて。 利のつく金子を借りて山を買う、木を伐りかけ、資本に
支える。ここで材木を抵当にして、また借りる。すぐに利がつく、また伐りかかる、資本....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
てきた。急な所を横登行をやりながらしばしば休んだ。途中で菓子を食いながら、一本の
支える木もない急な斜面を見渡すと自らつつしみ深い心になる。雪巡礼の一歩一歩は、乗....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
を振返る。 「やあ、」 と、蚊帳を払って、明が飜然と飛んで縋った。―― 袂を
支える旅僧と、押揉む二人の目の前へ、この時ずか、と顕われた偉人の姿、靄の中なる林....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
云うのだ。娑婆、人間の処女で……」 また絶句して、うむと一つ、樽に呼吸を詰めて
支えると、ポカンとした叩頭をして、 「何だっけね、」 と可愛い声。 「お稲、」....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
立の形で、 (もはや、お二方に対しましては、……御夫婦に向いましては、立って身を
支えるにも堪えません、一刻も早くこの人畜の行為に対する、御制裁を待ちます。即時に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でございました。―― 『そなたの統一もその辺まで進めば先ず大丈夫、大概の仕事に差
支えることもあるまい。従ってそなたがこの上ここに居る必要もなくなった訳……ではこ....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
あるに違いない……」 彼は胃袋が虚空になったのを感じた。筆を置いて、両手で頭を
支えると、自分の頭はまるで二つの柱に立てかけた地球儀のようであった。 「彼等二人....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
息を日記に洩らして、官吏は元来心に染まぬが今の場合|聊かなりとも俸銭を得て一家を
支える事が出来るなら幸いであると古川に頼んで、さてそのあとで、「何となくうら恥か....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
もちゃんと知っている。 車は止まった。不愉快な顫えが胸を貫いて過ぎる。息がまた
支える。フレンチはやっとの事で身を起した。願わくはこのまま車に乗っていて、恐ろし....