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支脈
「支脈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
支脈の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
患《うれ》いは、先ずなかろうと思われる、然るに富士帯の火山線は、甲斐駒ヶ岳山脈の
支脈、釜無山脈になると、混じ合って、更に北の方、飛騨山脈となると、名にし負う御嶽....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
多く、三陸沿海を南下してくる千島寒流が、この岬の北方数浬の地点で北上する暖流の一
支脈と正面衝突をし、猛悪な底流れと化して汐巻岬の暗礁地帯に入り、ここで無数の海底....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
横平山という高地がある。この高地は三ノ嶽の脈に当って吉次、半高の諸山に連り、その
支脈は更に田原坂、白木に及んで居る。 十五日の早朝、両旅団の砲兵は、二俣、田原....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
沙漠地で、水は、細く、片寄せられて、流れている。川は、やがて、左に折れて、農鳥山
支脈の峡間に入って、益す狭く、石が次第に多い。うしろを振りかえると、そそり立つ山....
「風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
林の上に、よく晴れている日だったならば、南から西にかけて、南アルプスとその二三の
支脈とが、いつも自分自身で湧き上らせた雲のなかに見え隠れしていた。 サナトリウ....
「霊気」より 著者:豊島与志雄
霊気 豊島与志雄 中房温泉は、既に海抜四千八百尺余の高地にあって、日本アルプスの
支脈に懐かれている。早朝に温泉を発して、山の尾根伝いに、見上ぐるばかりの急坂を、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
繞溝渠《いじょうこうきょ》がその枝の幹となり、その分脈は小枝となり、行き止まりの
支脈は細枝となる。
しかしその形は、概略のものでまったく正確というわけにはゆか....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
リハの葉は大形常緑で、その中脈は葉の上面にも隆起するが、しかし殊に下面に著しい、
支脈は多数で羽状に並んでいる。 ユズリハの枝を取りそれを上方より望み見ればその....
「越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
坂がありまして一里ばかりの雪道を約五時間も費やしました、その雪を通過すると劍山の
支脈で黒部川の方向に走れる母指との間のような処に出ました、もっともこの積雪の上を....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
し、その山頂が界で、以南はすべて根利に属すというのである。皇海山から西に派出した
支脈に延間峠というのが通じている。エンマノトヤはこの附近の名であろうと思う。以上....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
こ顔を出すも、己れの低小を恥じてか、すぐ引っこむ、勿論小結以下。 槍からは大体
支脈が四つ、南のは今まで通った処、一番高大、その次は西北鷲羽に通ずる峰、次はこの....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
た岩の間を縫って、糸のように南へ走っている。右手の中新川を限る山脈からは、小さな
支脈が幾つか章魚の足のように伸びて、突きあたりの緑の地に黒い針葉樹の裾模様を着た....