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支那蕎麦
「支那蕎麦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
支那蕎麦の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
本郷の酒屋の二階へ帰って行った時はもう十二時近かった。夜更けの冷たい鋪道の上を、
支那蕎麦屋の燈火が通っているきりで、二人共沈黙って白い肩掛を胸にあわせた。
....
「清貧の書」より 著者:林芙美子
唾を呑み込もうとすると、舌の上が妙に熱っぽく荒れている。何か食べたい。――赤飯に
支那蕎麦、大福餅《だいふくもち》にうどん、そんな拾銭で食べられそうなものを楽しみ....
「蕎麦の味と食い方問題」より 著者:村井政善
のですから、段々蕎麦も悪くなり、また職人も不真面目になってごまかしものを作ったり
支那蕎麦を拵えたり、時には蕎麦か饂飩の見分けのつかぬものを作るようになるのであり....
「葉」より 著者:太宰治
ぶられる度毎に、みんなあたまを顫わせた。 それをそっと小わきにかかえ、ちかくの
支那蕎麦の屋台へ、寒そうに肩をすぼめながらはいって行った。 三晩つづけてここで....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
十四 九時が打った。 勘三はまだ帰らなかった。誂《あつ》らえた
支那蕎麦が本当に十杯ばかりも並んだ。 「こんなに御馳走になって済まないわ」 「何....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
東京の 美好野のあの汁粉と粟餅 甘党の私は今はたまに食う お菓子につけて思う東京
支那蕎麦の立食をした東京の 去年の今頃楽しかったね 上京しようと一生懸命コクワ取....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
二時近かゝった。 夜のカンカンに冷たい舗道の上を、グルグル湯気にとりまかれた。
支那蕎麦屋の灯が通おっているきりで、二人共沈黙って白い肩掛を胸にあわせた。 二....
「魔像」より 著者:林不忘
ヒッソリ更けて、犬の遠吠《とおぼえ》、按摩《あんま》の笛、夜鳴《よな》きうどんに
支那蕎麦《しなそば》のチャルメラ……ナニ、そんなのアないが、とにかく、深更である....
「巷の声」より 著者:永井荷風
うりごえ》が註にしてある。此書は明治四十年の出版であるが、鍋焼温飩の図を出して、
支那蕎麦屋を描いていない。之に由って観れば、支那そばやが唐人笛を吹いて歩くように....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
た上にも馴れきって、何とも思わなくなってしまった。 「君さん。何かたべるか。もう
支那蕎麦《しなそば》ぐらいしか出来ないとさ。」 矢田の声に君江は振返ると、洋服....