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政敵
「政敵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
政敵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
まいに、江戸|駒込の別邸で波瀾の多い生涯を終わった。享年六十一歳。あだかも生前の
政敵井伊大老のあとを追って、時代から沈んで行く夕日のように。 半蔵が年上の友人....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、半蔵はほぼそれを聞き知ることができたのである。幕府の参政田沼玄蕃頭は耕雲斎らが
政敵市川三左衛門の意見をいれ、宍戸侯に死を賜わったという。それについで死罪に処せ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
敗北だとは気がつかなかった。彼には一ふりの名刀がある。時来らば、この名刀でもって
政敵を刺さん、とかなりの自信さえ持って山に隠れていた。十年経って、世の中が変った....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
るだけだよ」 魚戸は弁解していった。 「フランケさん。リーマン艇長にはうるさい
政敵があるんでしょ」 ミミが訊いた。フランケはワグナーの方へ頤をしゃくりながら....
「連環記」より 著者:幸田露伴
。 嘉享 盛遇を忻び、尽瘁純誠を※す。 の句がある。これでは寇準の如き立派な人を
政敵にしても、永い間は勝誇った訳である。政治は力を用いるよりも智を用いるを主とし....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
府というものは、主として一時しのぎのさもしい量見で失敗しているものだ。 自分の
政敵を倒すために他人の武力をかりて、かえって武力に天下をさらわれてしまう。平安貴....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
起させようと企んだ。 Z国がこの秘密の相談を持ちかけたのは、総理大臣上泉善鬼の
政敵で、次期政権の必然的候補者といわれている対馬典六であった。典六は善鬼の藩と対....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
たしく、さては君も今代議士の栄職を荷《にな》いたれば、最初の志望は棄てて、かつて
政敵たりし政府の権門家《けんもんか》に屈従するにこそ、世間|自《おの》ずから栄達....
「光は影を」より 著者:岸田国士
主だが、父親は身勝手な自由主義者の一人、小生の血を分けた兄で、同時に、不倶戴天の
政敵だ。お含みを願う。 京野等志は、実は、この手紙を読みおわつた瞬間、文学志望....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
して、行政部内にある諸学校にまで及ぼして、本来|無辜《むこ》の学問に対して無縁の
政敵を出現するにいたるべし。 すでに今日にありても、学校の教員等を採用するに、....
「荘子」より 著者:岡本かの子
る将軍の一人娘であった。戦国の世によくある慣いで父将軍はちょっとした落度をたてに
政敵から讒言を構えられ秦王の誅を受けた。母と残された麗姫はこのときまだこどもであ....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
別にまた一種の暗殺あり。この暗殺は私のためにあらず、いわゆるポリチカル・エネミ〔
政敵〕を悪《にく》んでこれを殺すものなり。天下の事につき銘々の見込みを異にし、私....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
闘争したのである。一五九三年の初めエセックスは枢密院議員に任ぜられることによって
政敵の同僚となった。議員を選ぶのは女王の権限にあった。いっさいは彼女自身の心の風....
「新撰組」より 著者:服部之総
うひとつあくどくなって、「天誅《てんちゅう》」の犠牲の首や耳や手やを書状に添えて
政敵のもとへ贈り届ける。二月になると京都の岡っぴきは皆怖がって引退する。 この....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ては追従もしなければならなかったし、また歌界だけで見れば、六条家の末輩は九条家の
政敵であった土御門家の家司になって対抗して来たりしたから、狭いなりに歌界にも歌界....