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「故人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

故人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
いることを感じた。僕の叔父《おじ》は去年の十一月に喉頭癌《こうとうがん》のために故人になっていた。それから僕の遠縁の少年はこの正月に家出していた。それから――し....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、 「しかし何もこう云ったからと云って、彼が私《わたし》の留守中《るすちゅう》に故人になったと云う次第じゃありません。ただ、かれこれ一年ばかり経って、私が再び内....
」より 著者:芥川竜之介
》のついた一枚の葉書を眺めた時、悲しさよりもむしろはかなさを感じた。 「なおまた故人の所持したる書籍は遺骸と共に焼き棄て候えども、万一貴下より御貸与《ごたいよ》....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ったのは正にこの時である。が、先生の眼の中には、さっき自分が予想した通り、果して故人に遇ったと云う気色《けしき》らしいものも浮んでいない。ただ、そこに閃いていた....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
流浪《るろう》して来た。が、何もし出さない内に、おぎん一人を残したまま、二人とも故人になってしまった。勿論《もちろん》彼等他国ものは、天主のおん教を知るはずはな....
追憶」より 著者:芥川竜之介
ため、妙に悄気たことを覚えている。その先輩は中学を出たのち、たちまち肺を犯されて故人になったとかいうことだった。 二六 いじめっ子 幼稚園にはいって....
春昼」より 著者:泉鏡花
と言う事も存じておりますが、経文に書いてあることさえ、愚昧に饒舌ると間違います。故人をあやまり伝えてもなりませず、何か評をやるようにも当りますから、唯々、かのな....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
が、終には防臭剤を博覧会へ出かけちゃ、自分で撒いていたので可笑しかった。その人も故人になったそうですが、若くって惜しいことでしたね。 (明治四十二年八月『趣味』第四巻第八号)....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
下駄を、腰に支いて、路傍へ膝を立てた。 「さればこそ、先、師匠をはじめ、前々に、故人がこの狂言をいたした時は、土間は野となり、一二の松は遠方の森となり、橋がかり....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
と言うのでは決してない。 問題に触れるのは、お桂ちゃんの母親で、もう一昨年頃|故人の数に入ったが、照降町の背負商いから、やがて宗右衛門町の角地面に問屋となるま....
歯車」より 著者:芥川竜之介
「先達はつい御挨拶もしませんで」と言われ、当惑したことを覚えている)それからもう故人になった或|隻脚の飜訳家もやはり銀座の或煙草屋に第二の僕を見かけていた。死は....
滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
たないであろう。しかし当代の文士を挙げて滝田君の世話になったと言うならば、それは故人に佞するとも、故人に信なる言葉ではあるまい。成程僕等年少の徒は度たび滝田君に....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
はてな。」 多津吉は確と腕を拱いた。 「何しろ、これは、今の話の様子だと、――故人が鏨で刻んだという、雪をつかんだ鶏の鳥冠に、旭のさしたのを象徴ったものだ。緋....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
催という事で学生大会をやった。 大隈侯の銅像の前に五、六千の学生が集った。今は故人の安達正太郎君という雄弁会の幹事が出て、開会の辞をやり、次いで私が決議文をよ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
側にあった或友達の家へ遊びに行った。かれもまた海軍の将校になった後、二、三年前に故人になっている。しかし僕の思い出したのは必ずしもかれのことばかりではない。かれ....