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「故国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

故国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
からだが弱いのと母が継母であるために、父の慈悲から洋行する事になったが、自分には故国が慕われるばかりでなく、葉子のように親しみを覚えさしてくれた人はないので、葉....
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
先は有名なるユグノー党の一人でありまして、彼らは一六八五年信仰自由のゆえをもって故国フランスを逐《お》われ、あるいは英国に、あるいはオランダに、あるいはプロイセ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
しながら次第にこの基礎を固めていった。ギーセン大学からの招聘を辞退して一八九一年故国スウェーデンに帰り、ストックホルム工科大学の講師となり、後にそこの教授となっ....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
のだ」 「わたくし痣蟹と称ぶミスター北見仙斎を信用していました。あの人、わたくし故国ギリシアから信用ある紹介状もってきました」 「ギリシアから紹介状をもってきた....
海底大陸」より 著者:海野十三
ある。 「おお、長良川博士。あなたの帰りを待っていましたよ。じつは、ぼくは急いで故国へ帰りたいのです」 ドン助教授の心配そうな顔が、殿下の肩ごしにあらわれた。....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
よいよ焼夷弾を腹へおとすか。わっはっはっはっ」 二人は汗をふきながら、生温かい故国の酒をくみかわすのであった。 南シナ海の怪物 しばらくすると、二人の....
」より 著者:池谷信三郎
ちの唇を漏れてきた。 ――もう春ですわね。 ――ほんとに。春になると、私はいつも故国の景色を想いだします。この異国に来てからもう七度の春が巡ってきました。 ――....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ると常に現われた。 次の日、絞首役人は熱鉄でラザルスの両眼をえぐり取って、彼を故国へ追い帰した。神聖なる皇帝アウガスタスも、さすがにラザルスを死刑に処すること....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
れしがらせる。まあ、人になることですよ。」 「ああ、わがなつかしき、花さく熱帯の故国よ。」とカナリヤがうたいました。「わたしはあのみどりしたたる木立と、鏡のよう....
余齢初旅」より 著者:上村松園
」 と、言う声は本当になつかしいものに聞えた。激しい向かい風のなかに見え始めた故国日本の姿はまったく懐かしい限りであった。 その癖、帰りついて昨日まで支那人....
中支遊記」より 著者:上村松園
」 と、いう声は本当になつかしいものに聞こえた。激しい向い風のなかに見え始めた故国日本の姿はまったく懐かしい限りであった。そのくせ帰りついて昨日まで支那人ばか....
」より 著者:上村松園
問いに夕霧はあれこそは賎が女の打つ砧の音だと告げ、蘇武が胡国にさすらえていた折、故国にあるその妻が寒暑につけても夫の身を案じつつ打った砧の音が遠く万里を隔てた夫....
西航日録」より 著者:井上円了
ルにして首府ダブリンに着す。途上一詠あり。 鉄車百里向西倫、野外風光未見春、遥憶故国三月末、東台山下賞花人。 (汽車で行くこと百里、西のロンドン(ダブリン)に向....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。) 別にシドニー客中所感の小詩一首あり。 看昨、客庭秋已酣。 (花見の時節に故国を去り、五月には豪州の南部に至った。春の夜の夢は昨日のように思いおこされるが....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
異郷の生活によって得たものは、ただ年をとったことだけだった……と。海外へ雄飛して故国に錦を飾るのを夢みた私だが、いまやその夢はこなごなにくだけ、私はただ心身とも....