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「故地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

故地の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
けれども、己《おれ》は遣るんだ」 言葉の矛盾がすぐ細君を不快にした。 「そう依故地《えこじ》を仰《おっ》しゃればそれまでです」 「御前は人を理窟ぽいとか何とか....
真田幸村」より 著者:菊池寛
らば、昌幸は殊勲第一であったであろう。石田三成が約束したように、信州に旧主武田の故地なる甲州を添え、それに沼田のある上州を加えて、三ヶ国位は貰えたであろう。 ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
から取上って、今は日本|無双《ぶそう》の大国たる出羽奥州、藤原の秀衡や清原武衡の故地に踏みしかって、四十二万石の大禄を領するに至った氏郷がただ凝然と黙々として居....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
越苦労して、私にあんた義理もあるだから、やかましく云いますし、やかましく云えば意故地になって家へも帰んねえようにする彼れが気象でござりまして、あんな我儘な気象、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
成の故郷に近いことではあり、その後、封ぜられた大名もありましたが、なにしろ豊公の故地では果報負けがすると見えていつきません、それ故に、長浜の地はその後長く城主の....
故郷」より 著者:豊島与志雄
く云えば、彼等がたとえ世界的国家の建設を夢想しようとも、その中心地は必ずユダヤの故地だそうである。何故? の問題ではない。そうでなければならないのである。 朝....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
国病たるの惨状である。この病菌と闘い、伊豆の辺地、曾我物語発祥の地、久須美荘園の故地のみは、自らの必死の力闘によって、この病菌の息の根を絶たんものを! 先生はケ....
稚子法師」より 著者:国枝史郎
たる法師一人念仏詣りて余念無し。助け出して何者と問へば稚子法師阿信なりと答ふ。何故地下には居給ふぞと訊けば数年以前に入定はしたれど未だ往生出来ずと云ふ。 「何故....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
は「坂」と称すべき地勢ではない。あるいはこの木辻の西坂の唱門師が移ったがために、故地の名称を伝えたのではなかろうか。同部落の伝えには、彼らの祖先はもと笹鉾町にい....
再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」より 著者:戸坂潤
り得るから、即ち論理的に相反する二つの地質学を結果する必然性はないのだから。それ故地質学の如きはその理論構成の原理(かの出発)は地殻の歴史の現段階性によって条件....