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敏感
「敏感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敏感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ごとく傍若無人な態度に出る人間が少なかったように、彼のごとく他人の悪意に対して、
敏感な人間もまた少なかったのである。そうして、この行為の上では全く反対に思われる....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
言葉
あらゆる言葉は銭のように必ず両面を具《そな》えている。例えば「
敏感な」と云う言葉の一面は畢竟《ひっきょう》「臆病《おくびょう》な」と云うことに....
「或る女」より 著者:有島武郎
紅《あか》くなっていた。青白い皮膚に嵌《は》め込まれたその紅《あか》さを、色彩に
敏感な葉子は見のがす事ができなかった。岡は何かしら非常に興奮していた。その興奮し....
「或る女」より 著者:有島武郎
じゃ僕はこれできょうは御免をこうむります。さようなら」
牝鹿《めじか》のように
敏感な岡さえがいっこう注意しない葉子の健康状態を、鈍重らしい古藤がいち早く見て取....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
、藪道《やぶみち》をぐんぐん歩いて行った。ふとある疎藪《ぼさ》の所で彼れは野獣の
敏感さを以て物のけはいを嗅《か》ぎ知った。彼れははたと立停ってその奥をすかして見....
「生きている腸」より 著者:海野十三
響をある順序にしたがって当てた結果、やがてその腸壁の一部が、音響にたいして非常に
敏感になったことを発見した。まずそこに、人間の鼓膜のような能力を生じたものらしい....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
わない、失い得ない君の事を思った。仁王のようなたくましい君の肉体に、少女のように
敏感な魂を見いだすのは、この上なく美しい事に私には思えた。君一人が人生の生活とい....
「階段」より 著者:海野十三
創ではなく、第十九世紀に英国のアイルランドに住んでいたマリー・ケンシントンという
敏感な婦人が驚くべき特殊能力を発揮した詳しい実験報告が出ている。僕はそれをフィル....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
とデカデカに初号活字をつかった表題で、昨夕の怪事件を報道しているところを見ても、
敏感な新聞記者たちは早くもこれが近頃珍らしい大々事件だということを見破ったものら....
「恐竜島」より 著者:海野十三
なしいね」 伯爵隊長の話は、どこまでいってもきりがない。とにかく恐竜は、音響に
敏感で、好きな音ときらいな音とがあるという伯爵の結論は、ほんとうらしい。 「さあ....
「火星探険」より 著者:海野十三
りずっと明るく物の識別ができた。これはこのテレビジョン装置が、赤外線に対し非常に
敏感にできるためである。つまり夜もよく見える猫の目のようなテレビジョン装置である....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
恐るべき悪魔の翼は、ついに汽船ブルー・チャイナ号をつつんだ。 もしも非常に
敏感な人が船上にいたとしたら、その人は最初、相当おびただしい飛行機の爆音を耳にし....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
こんな両親がどうして子供の幸福の対象になりましょう。子供等はかえってそんな事には
敏感で悲しい場合が多いと私は思います。そしてまた、よく子供のためにいいとか悪いと....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
う事の不利は、すでに汝の熟知せる所であろう。要するにわれ等の求むる所は、受動的の
敏感性であって、かの怠慢と無感覚より来る所の、単なる受動的状態ではない。刺戟性の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ーフェンの弟子ではない。これがかえってモルトケをして時代性を参謀本部の人々よりも
敏感に感受せしめたらしい。 シュリーフェンの計画はベルギーだけでなくオランダの....