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敏活
「敏活〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敏活の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
のものの緊張したそこには、いつでも音楽が生まれるものと見える。 船はもう一個の
敏活な生き物だ。船べりからは百足虫のように艪の足を出し、艫からは鯨のように舵の尾....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
に底深く力強い思いの念力、それがどうして省作に伝わらずにいよう。 省作は何事も
敏活にはやらぬ男だ。自分の意志を口に現わすにも行動に現わすにも手間のとれる男だ。....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
之を倒しているわけである。この様に明軍も奮戦したけれどもやがて寒雨到り行動は益々
敏活を欠くのに対して、日本軍は左右の高地から十字火を浴せたのでついに支うべくもな....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
な武器たる爪や甲羅のために、亡んでいる。それは爪や甲羅が大きくなりすぎて、運動が
敏活を欠くためである。 秀頼も、秀頼を取り巻く連中も、天下の権勢が徳川に帰した....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
その体の大きさは十八、九歳の少年よりももっと大きくもあり逞しくもあり、その行動の
敏活とその腕力の強さとは真に眼覚ましいものであった。且つ彼の頭脳のよさ! これも....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
な」と米は程合を見計らう。 「ああ、そういたしましょうねえ、お嬢様。」 黙って
敏活の気の溢れた目に、大空を見ておわした姫様は、これに頷いて御入があろうとする。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
て、われ等の聖業を阻害せんとしつつあるので、その悪戯は極めて巧妙、その行動は甚だ
敏活、巧みにわれ等の事業を摸倣し、ひたすら迷える者の歓心を買うべくつとめるから、....
「氷河」より 著者:黒島伝治
エットを守るパルチザンの襲撃は鋭利になりだした。日本の兵士は、寒気のために動作の
敏活を失った。むくむくした毛皮の外套を豪猪のようにまんまるくなるまで着こまなけれ....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
気のきかない、スローモーション、全然モーローたる立居振舞トンマそのものの性質で、
敏活また歯ぎれのよい仁義の世界では全然モーションが合わないのだもの、話にならない....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
る。そろって旺盛なヤジウマ根性にめぐまれているのは偶然ではない。 しかし、天性
敏活で、チョコ/\と非常線をくぐるぐらいお茶の子サイサイの運動神経をもつ小林秀雄....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
はいたものの、十一月の雨中に一夜を立ちつくしたのであるから、体がぎこちなく手足が
敏活に動かぬ。尾根は登りとなって深い笹が足にからまり、横から突風に襲われると、二....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
国に行われて、
悪事の上に悪事が醸し出されては、
心には智慧、胸には慈愛、手には
敏活があったと云って、なんになりましょう。
どなたでもこの高殿の上から、広い国中....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。信念、信仰によってこれを享くるものは尽きせぬ動力を供給せられ、労せずして根気も
敏活も働きの上に上るのであります。 終日語って一|語も語らず。 終日|行じて一|....
「料理する心」より 著者:北大路魯山人
出ますまでには、人の知らない苦心と努力がつきものとなっております。しかも、行動が
敏活で、時間に間に合う働きがなくては、せっかくの努力も残念なことに了らないともか....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ていないのである。 しかしそれは決して理想的状態でない。理解の進むに従い適切に
敏活なる協同に要する統制機関を設置すべきである。 「最終戦論」には「天皇が東亜諸....