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救い
「救い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
救いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
う、しまいには、猪熊《いのくま》のばばや同類の盗人が、牢《ろう》を破ってあの女を
救い出すのを、見ないふりをして、通してやった。
その晩から、おれは何度となく、....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《よ》いか、倅を殺さずに置いた方が好いか、――(突然苦しそうに)どうかわたしを御
救い下さい。わたしはこのまま生きていれば、大恩人の甚内を憎むようになるかも知れま....
「河童」より 著者:芥川竜之介
す。
「これはツァラトストラの詩人ニイチェです。その聖徒は聖徒自身の造った超人に
救いを求めました。が、やはり救われずに気違いになってしまったのです。もし気違いに....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
た。そうしてそれだけの善い事をした報《むくい》には、出来るなら、この男を地獄から
救い出してやろうと御考えになりました。幸い、側を見ますと、翡翠《ひすい》のような....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
えんぜつ》? どこに今夜演説があるの?」と云った。
彼はさすがにぎょっとして、
救いを請うように父の方を見た。
「演説なんぞありゃしないよ。どこにもそんな物はな....
「路上」より 著者:芥川竜之介
たましい拍手《はくしゅ》の音が起った時、彼はわずかにほっとした眼を挙げて、まるで
救いを求めるように隣席の大井《おおい》を振返った。すると大井はプログラムを丸く巻....
「白」より 著者:芥川竜之介
なずま》のように踏切へ飛びこみ、目前に迫《せま》った列車の車輪から、見事に実彦を
救い出した。この勇敢なる黒犬は人々の立騒《たちさわ》いでいる間《あいだ》にどこか....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、茫然とこの悲劇を見守っていた。また実際彼等の手では、到底千曳の大岩の下から彼を
救い出す事はむずかしかった。いや、あの容貌の醜い若者でさえ、今となっては相手の背....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
たのは信乃《しの》、現八《げんぱち》、小文吾《こぶんご》などの荘助《そうすけ》を
救いに出かけるところだった。「その時|蜑崎照文《あまざきてるぶみ》は懐《ふとこ》....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
敏を手放して、出さないだろうと思うんだ。だからよしんばあの婆の爪の下から、お敏を
救い出す名案があってもだね、おまけにその名案が今日明日中に思いついたにしてもだ。....
「或る女」より 著者:有島武郎
あるのももとより知っている。ただ僕はクリスチャンである以上、なんとでもして葉子を
救い上げる。救われた葉子を想像してみたまえ。僕はその時いちばん理想的な bett....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
お神使なのでございます。私はこのお方の一と方ならぬ導きによりて、辛くも心の闇から
救い上げられ、尚おその上に天眼通その他の能力を仕込まれて、ドーやらこちらの世界で....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、その心情は、遥かに動物以下であった。それでも神は、最後に人類をこの悪魔の手から
救い出したではないか! これに比すれば、現代の堕落の如きは、まだまだ言うに足りな....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
後へ稼ぎに来りしが病に罹りて九死一生となり、路用も遣い果して難渋窮まりしを伯父が
救いて全快させしうえ路用を与えて帰京させたれば、これを徳として年々礼儀を欠ず頼も....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ビ口やコン棒を振上げ襲いかかってきた。あわや血の雨の降る大乱闘になろうという時、
救いの神ともいうべき警官が現われ平野警察署長青木重臣君(のちの平沼内閣書記官長、....