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救い主
「救い主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
救い主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
陽気な笑い声が聞える。僕は孤独だ、と末弟は言い知れぬ寂寥の感に襲われた。その時、
救い主があらわれた。祖母である。祖母は、さっきから勉強室にひとり閉じこもっている....
「屋上の狂人」より 著者:菊池寛
です、松葉なんか燻《くす》べて。 義太郎 (苦しそうに咳をしていたが、弟を見ると
救い主を得たように)末か、お父や吉がよってたかって俺を松葉で燻《くす》べるんや。....
「あの時分」より 著者:国木田独歩
つもになくまじめな、人をおしつけるような声で、 「君はベツレヘムで生まれた人類が
救い主エス、クリストを信じないか。」 別に変わった文句ではありませんが、『ベツ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
漂浪を続けているかと申しまするに……彼等はその昔|切支丹宗《きりしたんしゅう》の
救い主を殺した罪の報いによって、その国を失い、ついに生涯枕をする土地を与えられな....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
渦をまく寒々しい裏町アナガアドの通りだ。 ユニイクな建造物がある――|われらが
救い主の教会。風変りな二八〇|呎の高塔。一六一七年、時の名建築家ピンスボルグの建....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
熱烈な嫌悪《けんお》の情と、ある神秘な期待とのうちに、日々を過ごしながら、未知の
救い主のほうへ両手を差し出してるおりに、ちょうどオリヴィエに出会ったのだった。 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
魔に打ち勝った。そして彼女を頭の頂から爪先まで戦慄せしめたことは、その天使、その
救い主は、だれあろう、自分がのろっていたその男、自分のすべての不幸の元であると長....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
しつかえない、とマリユスは思った。ユルスュールの父を見殺しにするかあるいは大佐の
救い主を滅ぼすかの板ばさみの地位から自分を助け出してくれるような、何かの機会が起....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
だ。」
「君はさっき私に礼を言いましたね。」
「共和の名において。防寨はふたりの
救い主を持っている、マリユス・ポンメルシーと君だ。」
「私には報酬を求める資格が....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
有尾人種だ!」 私はまたもこう呻いて、にわかに失望した眼を見張って、どこかに
救い主はあるまいかと前後左右を見廻した。すると同じ恐怖のために気絶しかかっている....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
た声をふり絞って叫びつづけた。 「異国のお人……異国のお人……。采女……采女。」
救い主の礫もつづいて飛んで来て、三人、五人、それからそれへと撃ちすくめられた。眼....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
とと存じます。妹とそのようなはなしをいたしました。 ここは淋しい漁村とて、この
救い主の誕生を祝う何の美しい催しもありません。人は早くから戸を鎖ざして、海から吹....
「城」より 著者:カフカフランツ
増したりできません。ところが、村長さんは、この地位はあなたにとっては苦しいときの
救い主になるだろうし、そのためにあなたもその仕事をよく果たすために全力を振りしぼ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
」 彼の罪は「この頭の毛髪の数よりも多い」 そして彼はいい続ける「うやうやしく、
救い主クリストに願うらくは、永遠の神のみ許しを我にもたらす仲だちにてあらせ給え。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
べき一大機会は今であった。度々戦乱に悩まされたこれらの農民達は日本人を兄弟並みに
救い主として熱心に歓迎したのである。かくしてこの国土の永久的領有の道は拓けたであ....