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救う
「救う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
救うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
。それらの人々は阿呆《あほう》ではない。が、阿呆以上の阿呆である。それらの人々を
救うものはただそれらの人々以外の人々に変わることであろう。したがってとうてい救わ....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
あなたには推察出来るでしょう。わたしは北条屋《ほうじょうや》の危急《ききゅう》を
救うために、三日と云う日限《にちげん》を一日も違えず、六千貫の金《かね》を調達す....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の魔縁に惹《ひ》かれて、無間地獄《むげんじごく》に堕ちようず衆生《しゅじょう》を
救うてとらさんため、老衲《ろうのう》自らその方と法験《ほうげん》を較べに罷《まか....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
、焦《こが》れ死《じに》に果てさせ給うたによって、われと同じ苦しみに悩むものを、
救うてとらしょうと思召し、宗門神となられたげでござる。」
奉行「その方はいずこ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
と思うのは悪魔です。堕落《だらく》した天使の変化《へんげ》です。ジェズスは我々を
救うために、磔木《はりき》にさえおん身をおかけになりました。御覧なさい。あのおん....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
さっき彼に後を見せた、あの牛飼いの若者が、これも眼を血走らせたまま、相手の危急を
救うべく、今度は大きな桶を一つ、持ち上げている所であった。
彼は再び牛のような....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
天にも、将《まさ》に溺《おぼ》れんとする幼児を見る時、進んで水に入るのであるか?
救うことを快とするからである。では水に入る不快を避け、幼児を
救う快を取るのは何の....
「或る女」より 著者:有島武郎
た自分はなんという事をしたのだろう。どうしたらこの取り返しのつかない自分の破滅を
救う事ができるのだろうと思って来ると、一秒でもこのいまわしい記憶のさまよう部屋の....
「或る女」より 著者:有島武郎
》み取ってくださる時を待っています。しかし手紙の束の中からはわずかに僕を失望から
救うために古藤君と岡君との手紙が見いだされました。古藤君の手紙は兵営に行く五日前....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
に最大の愛を遺《のこ》すために、私を加減なしに理解する為めに、私は母上を病魔から
救う為めに、自分に迫る運命を男らしく肩に担《にな》い上げるために、お前たちは不思....
「二つの道」より 著者:有島武郎
弁《きべん》である、虚偽である、夢想である。世を済《すく》う術数である。
人を
救う道ではない。
中庸の徳が説かれる所には、その背後に必ず一つの低級な目的が隠....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
てしまったのだ。本能的生活はもうその人とは係わりはない。然しそんな人を智的生活が
救うことが出来るか。彼は道徳的に強いて自分の行為を律して、他の女に対してその肉慾....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
らその跡を埋めに流れ寄る泥の動揺は身の毛をよだてた。クララは何もかも忘れて三人を
救うために泥の中に片足を入れようとした。 その瞬間に彼女は真黄に照り輝く光の中....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
したものをわれ等は知らない。選ばれたる者というのは、天地の大道を守りて、自からを
救うもの以外には絶無である。 又われ等は、盲目的信仰の価値に就きては何事も知ら....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
リントベルグを、モオパスサンを、或はこの部屋にいる僕自身を。…… こう云う僕を
救うものは唯眠りのあるだけだった。しかし催眠剤はいつの間にか一包みも残らずになく....