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敗者
「敗者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敗者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
古来如何に大勢の親はこう言う言葉を繰り返したであろう。――「わたしは畢竟失
敗者だった。しかしこの子だけは成功させなければならぬ。」
可能
我々....
「弓町より」より 著者:石川啄木
自己および自己の生活を厳粛《げんしゅく》なる理性の判断から回避している卑怯者、劣
敗者の心を筆にし口にしてわずかに慰めている臆病者、暇ある時に玩具《おもちゃ》を弄....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
爪の垢でも、煎じて飲ませたい」 世評は、成功者を九天の上に祭り上げると共に、失
敗者を奈落の底へまで突き落さねば止まなかった。 幸太郎兄弟が帰参してから十日ば....
「俊寛」より 著者:菊池寛
生活で、その心も気力も、すっかり叩きのめされてしまっていた。最初、彼らは革命の失
敗者として、清盛を罵り、平家の一門を呪い、陰謀の周密でなかったことを後悔し、悲憤....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
された貴重な芸術品や書籍がたくさんにローマへ輸入され、またそれらと一緒に、この戦
敗者ではあるが文化の方でははるかに優れた国民の種が入り込んできた。ローマ人中にも....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
場に晒せ」と絶叫せしめている。) フランツ・ウェルフェル――「トロヤの女」(戦
敗者の悲惨と戦勝者の残酷とを愁訴したものである。) エルンスト・トルレル――「....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
既に市から掃出されたか、或は早晩掃出さるべき運命を持ってるものである。其都市の劣
敗者――というのが悪るければ弱者――が毎日電車に乗って市の重大なる財源の供給者と....
「地球要塞」より 著者:海野十三
の弱みになることだと思ったので、私はついにいった。 「そりゃ、解決するさ。勝者と
敗者とができて、勝者は
敗者のもっていた資源を利用する」 「あははは、そんな子供だ....
「俊寛」より 著者:倉田百三
びましたね。平氏の首を取るがいいと。 俊寛 (顔をおおう)わしは恥じる。わしは失
敗者だ。すべて愚かな愚かなことだった。あなたがたは今いちばん悪いことを思いだして....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
婚の遺風の如きは、かつてかかる事の我が国に行われた証拠と解する。そして敗戦の際に
敗者が媾和の条件として、もしくは兇暴なる敵人の襲撃から免れんが為に、合意的に人間....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
は痩せて蒼黒く見えました。私は思わず部屋着の胸を掻き合せました。 「私も人生の失
敗者です。その失
敗者が同じ失
敗者のあなたをお迎えに来るなんて妙なわけですが、おか....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
が降る。
身方を鼓舞して、敵の心をひるまする
怪しい物音が岩穴からした例もある。
敗者は殪れて、謗は必ず下流に帰し、
勝者は栄華を受けて、助くる神を称う。
命令を....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
は合意的に売られた子弟、その他誘拐掠奪等から生ずるもので、要するに生存競争上の劣
敗者、社会の落伍者ともいうべきものが賤民となったのであった。したがって事情がこれ....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
場合には、一般に産業がはなはだしく衰える。すべてが貧乏してしまう。のみならず、戦
敗者の側に立った人々は、実にみじめなもので、幸いに生命の助かった落人も、いわゆる....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は至難であった。 又たとい敵を撃退せる場合に於ても軽挙追撃して隊伍を紊る時は、
敗者のなお所有する集結せる兵力のため反撃せらるる危険甚大で、追撃は通常行なわれず....