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敗走
「敗走〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敗走の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
たと見る間に、相手は肘《ひじ》をしたたか切られて、やにわに元《もと》来たほうへ、
敗走した。それを次郎が追いすがりざまに、切ろうとしたのと、狩犬の一頭が鞠《まり》....
「海底大陸」より 著者:海野十三
をあげて、どぼんどぼんとまっくらな海におちていく。あとからあとへと、このあわれな
敗走者の姿が、メリー号のてすりをのりこえて、むこうに墜落していくのが、光弾の照明....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。
――戦闘は九時間に亙って継続し、瑞典軍の死傷は三千、聯盟軍は七千を残して
敗走せしも、夜の闇は追撃を阻み、その夜、傷兵どもは徹宵地に横たわりて眠る。払暁に....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
した。 右近の陣は鉄砲に打ちすくめられ嫡子久蔵(十六歳)を初め百余人撃たれて、
敗走した。二番|側え池田勝三郎も丹波守の猛威に討靡けられて
敗走した。 『太閤記』....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
より先に逃げ延びた程である。滝川を渡り、西や北を目指して落ちて行った。前田利家、
敗走軍を追って川の辺に来ると、鍬形打った甲の緒を締め、最上胴の鎧著けた武者一騎、....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
五百を率いて天草に渡り、上津浦の人数と合して三道より進んだ。島子の一戦に寺沢勢を
敗走せしめ、本戸まで追撃して、ついに大将藤兵衛を、乱軍の中に自刃せしめた。何しろ....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
方面から攻めよせることはあるまい」 「さあ、それは保証のかぎりでない。旧イネ国の
敗走兵が、南の方の小さい島々へ上陸して、再挙をはかっているという噂を聞いたことが....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
と拳を揮廻すのが棄鞭で、把手にしがみついて、さすがの悪垂|真俯向けになって邸町へ
敗走に及ぶのを、斑犬は波を打って颯と追った。 老人は、手拭で引摺って袖を拭きつ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ドロモドロで体をなしていない。ジャックナイフにサッと三人手をあげるとは水際立った
敗走ぶりであるが、それにもまして、チンピラ小説に暗殺されたトマさんは、アプレゲー....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
怖に苦しんだ。津右衛門が死んで一ヶ月ほどたって、上野寛永寺にたてこもった幕府軍が
敗走し、戦火が次第に関東から奥州へと延びる気配になったころ、父の兆久と兄の天鬼が....
「不周山」より 著者:井上紅梅
我が后は自らこれに天罰を加えるために、郊で戦われたが、天は徳を祐けず、我が軍隊は
敗走致しました……」 「何?」彼女は今までこんな風な話を聴いた事もなかったので、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いうことになります。 しかし実際に日本武尊、否、大友皇子、否、天武天皇との戦に
敗走したさる高貴な人が美泉をのんでいったん死をまぬかれた聖泉というのは、前述の如....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
、これがために勢いを盛り返して、奮戦したので、さしもの北条、武田合同軍も、ついに
敗走してしまったのである。これに乗じて城兵は、城外へ押し出して敵を追跡し、これを....
「女強盗」より 著者:菊池寛
味方か敵かわからない。まごまごしているうちに、気がついて見ると、味方はことごとく
敗走して、自分一人が強盗の中にいる。しかも、強盗達は、自分を仲間の一人だと思って....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
はまだ確信しています。
帝
どうなるかは、今に分かるだろう。
その背進が
敗走に似ているのが、己には不愉快だ。
上将軍
あれ、あの我軍の右翼を御覧....