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敢
「敢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
登る時にも、彼等の一人と喧嘩をする時にもやはり彼を襲来した。しかし彼はその度に勇
敢にそれ等を征服した。それは迷信に発したにもせよ、確かにスパルタ式の訓練だった。....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
》を透《す》かした目にも、短かに刈り込んだ口髭《くちひげ》にも、――多少の誇張を
敢てすれば、脂光《やにびか》りに光ったパイプにも、ほとんど女人《にょにん》の嬌羞....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
『安《いずく》んぞその詐《いつわ》りにあらざるを知らんや。むしろ智高を失うとも、
敢て朝廷を誣《し》いて功を貪《むさぼ》らじ』これは道徳的に立派なばかりではない。....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
士司を合せければ、鷹も次第に人の天額へ舞い下《さが》る事を覚えこみぬ。清八は取り
敢ず御鷹匠|小頭《こがしら》より、人を把るよしを言上《ごんじょう》しけるに、そは....
「白」より 著者:芥川竜之介
さんはそこに立ちすくんだなり、今にも泣きそうな声を出しました。しかし坊ちゃんは勇
敢《ゆうかん》です。白はたちまち左の肩をぽかりとバットに打たれました。と思うと二....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
並《けなみ》を眺めていた。が、追い追いその沈黙が、妙に苦しくなり始めたので、とり
敢えず話題を開拓すべく、目前の馬を指さしながら、
「好い馬だな。持主は誰だい。」....
「少年」より 著者:芥川竜之介
している。彼はこの代赭色の海に予期を裏切られた寂しさを感じた。しかしまた同時に勇
敢にも残酷《ざんこく》な現実を承認した。海を青いと考えるのは沖だけ見た大人《おと....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
の曠野《こうや》を眺めて行った。が、遠い枯木立《かれこだち》や、路ばたに倒れた石
敢当《せきかんとう》も、中佐の眼には映らなかった。それは彼の頭には、一時愛読した....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
や帯を買ってやらぬではないか?
自由意志と宿命とに関らず、神と悪魔、美と醜、勇
敢と怯懦《きょうだ》、理性と信仰、――その他あらゆる天秤《てんびん》の両端にはこ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
、放肆《ほうし》を諫《いさ》めたり、奢侈《しゃし》を諫めたりするのと同じように、
敢然として、修理の神経衰弱を諫めようとした。
だから、林右衛門は、爾来《じらい....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
声を聞きながら、しばらくまた渚から遠ざかる彼等の姿を眺めていた。
「感心に中々勇
敢だな。」
「まだ背《せ》は立っている。」
「もう――いや、まだ立っているな。」....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
如き、「お絹とその兄弟」の如き、皆然らざるはあらず。これを称して当代の珍と云う、
敢て首肯せざるものは皆偏に南瓜を愛するの徒か。....
「初雪」より 著者:秋田滋
子にしようと自分が選んでおいたあの絹衣につつまれた白骨をとどめるのみで、あわれ果
敢なく朽ちはてているであろう。 彼女はもうこの世の人ではあるまい。世のなかの営....
「寡婦」より 著者:秋田滋
場所まで来て、うえを見て下さい。 私は気でも狂うかと思いました。取るものも取り
敢えず、あわてて着物を著ると、私は云われた場所まで駈けて行ったのです。私は駈けま....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の皿に横たわり、蹴爪を高く上げて、あたかも生きているあいだは武侠の精神のおかげで
敢えて請おうとしなかった助命を切望しているように見えた。 恍惚となったイカバッ....