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「散じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

散じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
美しき死の岸に」より 著者:原民喜
が呼ばれたのではないかと惑った。……試写が終ってドカドカと明るい廊下の方へ人々が散じると、重苦しい魔ものの影の姿も移動する。狭い演出課のルームの椅子は一杯になり....
桃のある風景」より 著者:岡本かの子
「沈丁花の花の干したのをお風呂へ入れてあげるから入りなさい。そりゃいい匂いで気が散じるから。」母は話さなかったが、恐らく母が娘時代に罹った気鬱症には、これ等が利....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
に思えた。私が彼女にあうことはより遠々しくなった。 放蕩児《ほうとうじ》が金を散じる時の所作《しょさ》はまず大同小異である、幇間《たいこもち》にきせる羽織が一....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
リとよくととのえる。腹が終って胃へくる。ここの積み方が特にむずかしい。一手、気を散じると、軽い空気になってしもう。一息ごとに存分に押しつけて重く堅く積み重ねてい....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
る者の合力を命じて居る。一人ずつでの力と策を一つずつ燃え上らせてその場限りの鬱を散じることならば中世の遊侠の徒でさえもやった。また、それが果して何のたしになった....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
ある者の合力を命じて居る。一人づつの力と策を一つづつ燃え上らせてその場限りの欝を散じる事ならば、中世の遊侠の徒でさえもやった。また、それが果して何のたしになった....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の思うさま吹き散らしてしもうたら、さぞ爽々するでしょうと思って」 「それよ、気を散じるということは大切だ。笛の一尺四寸は、そのままが一個の人間であり、宇宙の万象....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ご酔言もちとおつつしみを」 「だまれ。いまほどな酒で酔いはいたさぬ。ほんの鬱気を散じるため、薬湯代りに、折々、用いているまでだわ。この高時に酒進らせぬと、わが軍....